大学生の自殺について (2)-1

大分大学のケース (1)

2015年2月、当時20代であった経済学部3年の学生が自殺した。この事案の経過を以下に要約する。

2014年7月-2015年1月、指導を受けていた講師から研究発表内容等に関し、LINE等による執拗な否定・叱責を受けた。ほぼ1年後の2016年3月、その講師は任期満了で退職。

2016年6月、大分大学は記者会見で、その講師の行為はアカデミックハラスメントにあたると認定した上で、調査委員会を設置し自殺との因果関係を調べると発表。これは被害者の父親からの「(これまでの)内部調査ではハラスメントと自殺との因果関係が明らかにされていない」との申し立てを受けた措置。

2016年12月、第三者委員会の報告書を発表(関係者22人から事情を聴き、被害者のスマートフォンからLINEの記録を調べた)。被害学生が生前に遺書を2回書いていたこと等から、アカデミックハラスメントで精神的に追い込まれたと判断し、「指導・教育を逸脱した」と元講師の責任を認めた。また、この元講師の指導態度に問題があると周囲の人たちが元講師を指導する準教授に相談したのに、准教授が詳しく調べなかったことも指摘。学生の安全に配慮する大学の注意義務違反も認定。

2017年1月、大分大学、当時の監督責任を問い、前経済学部長とゼミを指導する準教授を戒告処分。月末、大学と遺族で示談が成立。(管理人A)

https://mainichi.jp/articles/20161228/k00/00m/040/157000c: http://naka3-3dsukihatenablog.com/entry/2017/08/01/073000: https://ringosha.jp/oita-university-academicharassment-akahara-31178