セクハラ常習教員がのさばりはびこった結果組織モラルが崩壊 (1)

 ある大学の教授Aは40代で着任当初から様々なセクシャルハラスメントを常習的に繰り返し、その期間は既に20年にも及ぶ。日常的な犠牲者は研究室に配属された女子学生・院生で、研究室内でその種の行為が絶えず、ある学生Bさんからは保健センターを通じて学長に直接訴えが出された。また、出張先で別の大学院生Cさんの部屋を度々尋ねるという行為も繰り返された。さらには、その間に、事務職員、大学の他職員の配偶者や大学に出入りしている企業の社員(いずれも女性)にまでハラスメントを行っているという証言もあった。保健センターのスタッフは、A教授への警報を多くの然るべき関係者に伝えるということを日常的に心掛けていたようである。

 ところが、初期はハラスメント対策等が未整備であったこともあり、当人は何ら厳しい指摘や処分等を受けることは無く、わずかにBさんのケースに関連して(理由を明示しない形での)Bさんの研究室所属変更が認められたのみであった。ただ、このとき当時の学長の事情聴取に対し、A教授を採用した前学長のもとへ駆け込み、善後策を相談している。

セクハラ事例 [s1806-180530] (1)(北信越、教育機関)(資料有、特定開示可能)

A教授セクハラデータ1

 最初の報告書は関係者へのヒアリング結果をまとめたもので、これをもとに、この事案の告発は学内公益通報制度を利用して行われた(学内ハラスメント委員会は実質的に機能していなかったようです)。最終ページの告発状は、学内の通報とほぼ同時に文科省へ提出されたものである、ということでした。

A教授セクハラデータ2

 これらは、ハラスメント被害者からの訴えにより「研究室の変更が認められた記録」である。当時の教授会の関連資料で、指導教員がT教授からM教授に変わったことが公式に記録されている、ということでした。

A先生セクハラデータ3

 内部の公益通報制度による告発に対して、ほぼ1か月の「放置」の後になされた回答である。もとから調査要求に対応する気は無く「面倒なことはさっさと幕引きしたい。そのためできる限りの形式的理由を考えました」という事務当局の意向と焦りが透けて見えます。なお、「放置」の期間中に「情報提供者」を恫喝しつつ「事情聴取」を行ったことも明らかになっている一方で、被害者の調査(特定)の努力や直接のアクセスの試みは一切無かったようです。具体的な当事者を特定しないで強引に結論を出すという拙速な対応はよほど「やましい」ところがあるのでしょう。

A先生セクハラデータ4

 データ3の回答を受け、告発者が「公益通報支援センター」に連絡・相談したときの文書ということです。

注)これらの資料で上記記事内A教授、BさんはそれぞれT教授、Aさんになっています。