アメリカサイエンス(学術)界のセクハラ事件 (1)

著名な学者と甘い大学当局、公然の秘密に

既に古い話になりつつあるが、2015年にBuzzfeed newsのスクープにより明らかになったのは、著名な天文学者であったカリフォルニア大学バークレイ校 (University California Berkley, UCB) のジェフ・マーシー教授のセクハラ問題である。その著名さは、この分野(太陽系外惑星研究)でノーベル物理学賞が授与されるとしたら確実に3人の内の1人に入っていたといわれるほどである。

特筆すべきは、ハラスメントが2000年ごろから長期にわたり多数の学生に対して常習的に続けられていたこと、その間の学生・職員からの度々の訴えが大学当局の無責任な対応(匿名や代理の訴えには対応しない等)により一貫して無視されてきたことである。その結果、UCB天文学教室では、女子学生の間で、マーシー氏の研究室の学生になってはいけないという忠告が学年ごとに申し送られていたという。即ち、大学と一部の関連研究者の間ではいわば公然の秘密になっていたわけである。

(2015年10月20日WEBRONZA, https://cakes.mu/posts/11200等)(管理人A)