公益通報の現状と課題(2)最近の公益通報事件における通報者の状況1

*サカイ引越センター事件

次に紹介するのは、毎日新聞の記事(2026年1月16日付)

俺が容疑者? 「正義の通報」が⼀転、5時間に及んだ取り調べhttps://mainichi.jp/articles/20260111/k00/00m/040/132000c

である。以下がAIによる記事の要約である:

この記事は、顧客の個人情報流出を告発した引っ越し大手の元社員が、会社側から執拗な追及や法的措置を受け、精神的に追い詰められていく実態を報じたドキュメントです。

1.事案のきっかけ:ゴミ捨て場の個人情報

  • 発見: 2022年春、サカイ引越センターの社員寮のゴミ捨て場に、顧客406人分の個人情報が記載された書類が大量に捨てられているのを男性が発見。
  • 行動: 証拠写真を撮り、労働組合に通報。その後、隠蔽を恐れた労組がメディア(東京新聞)に情報提供し、事実が公表された。会社側は当初、事実を認め謝罪した。

2.会社による「犯人捜し」と警察の介入

  • 特定: 写真に写り込んだ「手」などから、会社側は男性を情報漏洩者と特定し、元上司が電話で接触するなど圧力をかけた。
  • 刑事事件化: 会社側は「書類を持ち出した行為」を占有離脱物横領容疑で刑事告訴。男性は警察で5時間に及ぶ取り調べを受け、「容疑者」として扱われた(後に不起訴が確定)。

3.多額の損害賠償と「押し掛け」による威圧

  • 高額請求の示唆: 会社側弁護士から「損害は1億5000万円に上る」とする文書が届き、男性は自己破産を覚悟するほど追い詰められた。
  • 自宅訪問: 連絡を絶っていた男性の自宅に、弁護士と社員が直接押し掛け、玄関ドアを叩いて回答を迫るという異例の事態に発展。

4.泥沼の法廷闘争へ

  • 民事訴訟: 調停を経て、会社側は2025年、男性らに対し100万円の損害賠償を求める訴訟を提起。「会社に損害を与える目的だった」と主張している。
  • 男性の決意: 一時は解決金を払って終わらせることも考えたが、「自分の正義を曲げたくない」「子供に堂々とした背中を見せたい」と、裁判で戦うことを決意した。

【記事の背景・問題点】 本来、公益通報は社会的な不正を正すための「正義の行動」として保護されるべきですが、本件では企業側が「書類の持ち出し」を犯罪(横領)や不法行為として訴えることで、通報者に多大な社会的・精神的制裁を加える「報復」のような構図が浮き彫りになっています

*通報者を守る「盾」の弱さ

次は、毎日新聞の記事(2026年1月16日付)

発者守れぬ「もろい盾」︖ 公益通報、ルール⾒直し も実効性に疑問https://mainichi.jp/articles/20260111/k00/00m/040/146000c

です。まずは現状につての3枚の図解です:

また、以下が本記事のAI要約です:

この記事は、12月に施行される改正公益通報者保護法の内容と、それでもなお残る「通報者保護の限界」について深く掘り下げたものです。

1.改正法で強化されたポイント(新たな「盾」)

  • 立証責任の転換: 通報から1年以内の解雇や懲戒処分は「通報が理由」と推定されるようになります。これにより、会社側が「通報以外の正当な理由」を証明できなければ、通報者が勝訴しやすくなります。
  • 刑事罰の新設: 公益通報を理由に解雇・懲戒を行った法人や担当者に対し、懲役や罰金などの罰則が科されるようになります。
  • 探索行為の禁止: 兵庫県知事の事例などを踏まえ、「誰が通報したか」を捜し出す行為が初めて法律で禁止されました。

2.依然として残る「実効性」への疑問(もろい盾)

  • 配置転換や嫌がらせは対象外: 最も多い報復手段である「配置転換(左遷)」や「職場での無視」については、刑事罰の対象外であり、立証責任も通報者側に残ったままです。報復が解雇から配置転換にシフトする恐れが指摘されています。
  • 裁判負担の重さ: 救済を受けるには依然として数年に及ぶ裁判が必要であり、通報者の時間・費用・労力の負担は解消されていません。実際、過去の裁判で通報者の保護が認められたケースは極めて少数です。
  • 探索行為への罰則なし: 犯人捜し(探索)は禁止されたものの、それ自体に罰則はないため、抑止力不足が懸念されています。

3.日本の組織風土と課題

  • 「裏切り者」とみなす文化: オリンパスやビッグモーターの事例、兵庫県の内部告発問題などが示す通り、日本の組織には通報を「密告」と捉える根強い風土があります。
  • 今後の展望: 改正法は一歩前進ですが、日弁連などは「依然として不十分」と批判しています。施行から3年後の再見直しも検討されており、社会全体での意識改革が求められています。

【ポイント】 「解雇」などの極端な報復への防御力は上がりましたが、「巧妙な嫌がらせや左遷」からは依然として守りきれないという、制度の構造的な弱点が浮き彫りになっています。

この度の改正でも、公益通報者を保護する「盾」は、極めて穴だらけで脆弱であるようです。これでは、ごく普通の人が公益通報に踏み切るのはほとんど無理、と言える。

*通報者保護制度:EU、米国との比較

最後の記事は、毎日新聞の記事(2026年1月16日付)

通報者の保護、⽇本は後⼿︖ EUより狭い対象範囲、重い訴訟負担https://mainichi.jp/articles/20260114/k00/00m/040/300000c

である。この記事のAI要約は次のようである:

この記事は、日本の公益通報者保護制度をEUや米国と比較し、日本の制度がいかに「後手」に回っているかという課題を浮き彫りにしています。

1.EUとの比較:広範な保護と厳格な義務

EUの「公益通報者保護指令」と比較すると、日本の制度の狭さが目立ちます。

項目 日本 EU
対象となる違反 刑事罰・行政罰(過料)の対象のみ 各分野の違反行為を広く含む
保護される人 労働者、退職者、役員など 株主、研修生、採用段階の人も含む
窓口設置の義務 従業員300人超の法人 従業員50人以上の法人
立証責任の転換 解雇・懲戒のみ(改正法) 配置換え・ハラスメント等も含む

2.米国の特徴:強力な「報奨金制度」

米国では単一の法律ではなく、分野ごとの法律で通報者を守ると同時に、積極的なインセンティブを設けています。

  • ドッド・フランク法: 証券取引などの不正通報により制裁金が得られた場合、通報者に報奨金を支払う。
  • 司法省の取り組み: 2024年から、企業の不正を通報した個人に報奨金を支払うプログラムを開始。

3.日本が抱える今後の論点

専門家(柿崎環・明治大教授)は、日本の遅れを解消するために以下の見直しが必要だと指摘しています。

  • 不利益取り扱いの範囲拡大: 日本では「配置転換(左遷)」や「嫌がらせ」の立証責任がまだ通報者側にあり、これが通報をためらう最大の要因となっている。
  • 企業規模の引き下げ: より小規模な企業(300人以下)にも体制整備を義務付けるべき。
  • 文化の醸成: 通報を「密告」ではなく、社会的に意義のある「奨励されるべきもの」と捉える企業文化への転換が必要。

【結論】 日本の制度は「刑事罰レベルの違反」に限定されるなど対象が狭く、また通報後の嫌がらせに対する法的防御も不十分です。EU並みの包括的な保護や、米国のような実利的な通報促進策に比べ、「通報者の心理的な安全性」の確保において大きな差をつけられています

まさに投稿者が前の記事で指摘した通りである。

公益通報の現状と課題(1)改正公益通報者保護法とは?

改正公益通報者保護法に関するAIによる説明は以下である:

改正公益通報者保護法(2025年6月成立、2026年12月1日施行)は、企業の不正を通報した人が不利益な扱いを受けないよう保護を強化する法律です。主な改正点は、フリーランスの対象追加、通報者の探索行為の禁止、不利益な取扱いに伴う刑事罰導入、内部通報体制の整備義務化です。
改正の主なポイント(2026年12月施行)
  • 保護対象の拡大: 労働者だけでなく、業務委託先のフリーランス(特定受託業務従事者)も保護対象に追加。
  • 刑事罰の導入: 公益通報を理由に解雇や懲戒を行った事業者に対し、刑事罰(6ヶ月以下の拘禁刑、30万円以下の罰金)を導入。
  • 通報者の探索・妨害の禁止: 通報者を特定する「通報者探し」や、通報を妨害する行為を法律で禁止。
  • 体制整備の義務化: 301人以上の事業者は内部通報窓口の設置・運用が義務付け(300人以下は努力義務

用語と関連情報

  • 別名・関連語: 「内部通報者保護法」「ホイッスルブローワー保護法」とも関連。
  • 過去の改正: 2022年6月にも改正が施行され、この時も通報体制整備が義務化された。

この22年6月改正後の保護法の概要は以下の図面で説明される(消費者庁による):

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/overview/assets/consumer_partnerships_230725_01.pdf

また昨年6月にさらに改正された新しい保護法の主な改正点は以下である(同じく消費者庁HPより):

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/overview/assets/consumer_partnerships_cms205_250611_01.pdf

以上を予備知識として、主に毎日新聞の公益通報に関する一連の記事などを引用しながら、公益通報(者保護)制度の2026年5月時点での現状と課題(不十分点)について議論してみたい。

最初の記事は、毎日新聞の記事(2026年1月16日付)

セクハラやパワハラは対象外︖ 初⼼者にも分かる公益 通報のルールhttps://mainichi.jp/articles/20260111/k00/00m/040/139000c

である。以下はAIによるこの記事の要約である:

この記事は、「何が公益通報として保護されるのか」という基本ルールと、その課題について初心者向けに解説したものです。

1.公益通報の対象となる「不正」とは

  • 基準: 国民の命・健康・財産に関わる法律違反で、刑事罰や行政罰(過料)の対象となるものに限られます。
  • ハラスメントの扱い: 単なるパワハラ・セクハラは対象外となることが多く、刑法上の暴行や強制わいせつレベルに達していないと、法的な保護の対象にはなりません。
  • 今後の動き: 現在の対象(約500本の法律)は狭すぎるという批判があり、原則すべての法律違反を対象とする「ネガティブリスト方式」への改正を求める声が出ています。

2.通報先の3つのルート

通報先によって、保護を受けるための条件(ハードル)が異なります。

ルート 種類 特徴・条件
勤務先 内部通報 組織の自浄作用を期待する最も基本的なルート。
行政機関 外部通報 警察や監督官庁など。噂話ではなく証拠や確信が必要。
外部機関 外部通報 報道機関や消費者団体。証拠に加え、「内部通報しても調査されない」等の追加条件が必要。

3.なぜ外部通報はハードルが高いのか

  • 基本的には組織の自浄作用に期待しているためです。
  • 内部通報に誠実に対応できるかどうかは、その組織の価値を測る指標にもなります。

【まとめ】 現状の公益通報制度では、ハラスメントなどは犯罪レベルでない限り保護の対象外ですが、組織の自浄能力を高めるために内部通報をどう活用するかが重要視されています。

すなわち、現行の公益通報制度は、通報へのハードルが高く(犯罪レベルのものしか通報できず)、また通報者保護も不十分であることがわかる。

 

 

”はぐくみネット” NPO法人化、キックオフイベントも開催

このブログでも以前から紹介してきました、看護学生へのハラスメントの問題を扱ってきた、”全国看護学生はぐくみネット” https://change-school.org/ NPO法人が設立され、記者会見が行われました。以下はそのニュースがNHK全国版で流れたときの様子です。

本ブログ管理者もこの団体については、初期から関わらせて頂き、メンバーの一員でもあります。

☝ NHK報道記事(pdf)です。

この設立を記念しアピールするためのキックオフ講演会も3月末に開催されます。看護学生や看護教員の関係者の皆様、及びアカデミックハラスメントに関心をお持ちの方々の積極的な参加を希望します。

なお、会場はJR 東海道線穂積駅(岐阜駅から大垣方面へ2駅)から南西へ徒歩10分です。

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(4)

性交中のコンドーム外し有罪判決 「強要罪」該当とオランダ裁判所

共同通信社 によるストーリー(2023/3/15)

【アムステルダム共同】オランダ南部ドルドレヒトの裁判所は14 ⽇、性交渉中に相⼿の同意なくコンドームを外したのは「強要罪」に当たるとして、28歳の男に執⾏猶予付きの有罪判決を⾔い渡した。地元メディアなどが伝えた。AP 通信によると、ドイツ・ベルリンの裁判所が2018 年、同意なくコンドームを外したとして性的暴⾏の罪で警察官に有罪判決 を下すなど、他国でも処罰化の動きがある。 今回の判決は、相⼿の⼥性がコンドームなしで性交渉をしたくないと事前に⾔っていたにもかかわらず、男は断りなく外し、⼥性を性感染症や望まない妊娠のリスクにさらしたと指摘した。性交渉⾃体の同意はあったと認めた。

*性行為中に、合意に基づかずに、コンドームを密かに取り外したり損傷させたりする行為はステルシング(: stealthing) と呼ばれる。 性的暴行・レイプと見なされ得るもので、生殖的強制の一種とされる。

関連する記事・判決は、古くは2018年にドイツでhttps://www.cnn.co.jp/world/35130541.htmlがある:

(中略)同報道担当者によると、被告の警官は今月11日、執行猶予付きの禁錮8カ月、賠償金3000ユーロ(約37万8000円)と被害を受けた女性の性的な健康に関する医学的検査の費用96ユーロの支払いを命じる判決を受けた。被告は上訴する方針を表明した。

最近では2021年ニュージーランドでhttps://courrier.jp/news/archives/242112/のような記事:

(中略)ステルシング自体は以前からあったが、それが性犯罪であるという認識が広まったのは、ここ数年のことだ。「メルボルン・セクシャル・ヘルスセンター」の研究者による2018年の調査結果では、男性と性行為をした女性の3人に1人、男性の5人に1人が、性交中にステルシングをされていると、報告されている。

昨年英国ではhttps://www.afpbb.com/articles/-/3524231:

(中略)【6月14日 AFP】英国の裁判所は13日、性行為中に相手の同意を得ずにコンドームを外したとして、ロンドン南部在住のガイ・ムケンディ(Guy Mukendi)被告(39)に禁錮4年3月の判決を言い渡した。同被告は4月に有罪を言い渡されていた。

だが日本で性犯罪にならない可能性が有るようだ:https://diamond.jp/articles/-/347920

日本でも一刻も早く性犯罪として認められ、性病罹患者によるレイプなどと合わせて、性的強要罪・傷害罪として起訴され厳罰が下されるようになることを願う。

 世の中の、特に男性諸君、「生が好きだ!」とか言って避妊具無しの性交をパートナーに強要していませんか?断じてやってはいけません。また自分自身のみでなく、例えば自分の子供たちにもきちんと性教育をし、性犯罪を起こさせないように気を付けないといけません。但し、「令和5年度の人工妊娠中絶件数のうち、20歳未満が10053件、一方で40歳~44歳の件数が11170件だったといいます」。以下の記事には、親にこそまず性教育が必要では?という見解もありますhttps://forzastyle.com/articles/-/73960

 

 

 

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(3)

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(3)

 昔のことだから、大したこともしてないから 逃げられると思っている多くの「隠れ加害者へ」ーいつ告発が来るかもしれません!謝罪は今からでも遅くないのでは? もしくは今しがみついている役職からさっさと退場しては?退場しても、告発されることは減るかも知れないが、性犯罪の罪は一生消えませんが(民事では賠償の対象になり得ます)!

2番目の注目記事は以下のものである:https://bunshun.jp/articles/-/60020(#4)

「何だ、文春の記事か?」と斜に構える方もおられるかと思うが、これが含まれる一連の記事(#1~4)は猪谷千香氏(弁護士ドットコムニュース記者)の最近の著書ギャラリーストーカー-美術業界を蝕む女性差別と性被害 https://www.amazon.co.jp/dp/4120056163? から一部抜粋の形で構成されたものである。#1~3、#1: https://bunshun.jp/articles/-/59913、#2: https://bunshun.jp/articles/-/59914、 #3: https://bunshun.jp/articles/-/60019も全く酷くかつおぞましい内容であるが、ここで扱う#4は天下の東京芸術大学における信じられないような話である。他の(日本の?)芸術系大学でもよく似たことが頻発しているのであろうか?#4の記事のタイトルは『新入生に「性的な一発芸」を強要する“東京藝大のヤバさ”「露出の多い衣装、亀甲縛りも」「ショックでした」』である。教育機関ではあまり表っては聞かれない「用語」も混じるので、そのリアルさを感じてもらうために本文から何カ所か引用する:

#1~3では、(以下青字=引用)美術業界で権力を握る美術家やキュレーター、学芸員による、女性作家に対する壮絶なセクハラや性暴力の実態 が紹介されたが、そうした作家たちの中には、学生時代から同じ大学の先輩や教員らからハラスメントを受けているケースも少なくないということだ。美術業界に人材を輩出してきた芸術大学や美術大学と呼ばれる専門の教育機関において、である。

まさにその種のハラスメントの具体例を本記事は報告している。上原さん(女性、引用者注)は取材時、まだ20代。たった数年前の新歓で新入生だった上原さんの心を打ち砕いた「テリブル」(酷い)なこととは何だったのだろうか。彫刻棟にはアトリエが備えられており、体育館のように天井が高く、大型の彫刻でも設置できるようなスペースになっている。普段は仕切りがあるが、新歓のときはそれを取っ払い、学生らが全員入れるように空間がセットされる。アトリエの前方にはステージが用意され、教授陣には「観覧席」が設けられ、学生たちはステージと教授たちの間に置かれた低いテーブルの前に座るというスタイルがお決まりなのだという。

あまりに性的で、ありえない新入生歓迎会

 新入生を迎えるための会に、なぜステージがあるのか。

 彫刻科の新歓では毎年、新入生は全員、一発芸をしないといけないんです。一発芸は大体、セクシャルなもので、それも男性が喜ぶようなものです。たとえば、男子学生が音楽に合わせて一枚ずつ着ている服を脱いでいくのですが、服の下に何枚もパンツを履いてたり……。女子学生はレオタードやスクール水着など、できるだけ身体が露出するような衣装を身につけたり、亀甲縛りをした女子学生もいました。ショックでした」

 大学生の新歓にふさわしくないワードが飛び出して驚き、思わず「亀甲縛りとは、SMプレイでみるあれですか」と確認してしまった。「はい。SMのあれです。私たちのときは、グループで一発芸をすることは許されなくて、1人ずつやらされました」

 上原さんも、身体のラインがはっきり出るような衣装を着て、モノマネの一発芸を披露させられた。ショックを受ける上原さんに、さらに追い討ちをかけたのは、一発芸のあと、司会をしていた3年の男子学生から、胸のサイズを聞かれたことだった。すでにお酒が入り、酔っていた男子学生の言葉に、多くの学生が笑っていた。

一発芸を断れない理由は「美大特有の空気」

 事前に一発芸を断ることはできなかったのだろうか、と疑問を持つが、それも難しかったという。

「藝大や美大を受験するための予備校大手は3つしかありません。浪人生も多いので、学生の間には、入学前から予備校時代にできた上下関係があります。新歓の時には、予備校時代の先輩たちから、こういうのやりなよ、と一発芸の指示が飛んできます。私にも1学年上の先輩から指示がありました。もちろん嬉々としてやる学生もいますが、多くの新入生が雰囲気に飲まれて、『やりたくないです』と言える空気ではありませんでした。先輩たちは新入生のノリをみて、『あいつら使えるかどうか』という判断をします。それで、その後の評価が決まってしまうので、嫌とは言えないのです」

 美術業界の特殊性は、予備校時代からの人間関係が大学でも続き、場合によっては卒業後の作家活動にも影響することにある。作家たちは自由に創作活動をおこない、作品だけで勝負しているというイメージが強いが、実は予備校や大学時代からの人脈で仕事をする場面が少なくない。

本当に恐ろしい業界だ!

 (中略)「100人とか200人いるような学科であれば、1人欠席しようが誰も気にしないと思うのですが、20人の中の1人だと、『あの子いなかったよね』と言われて、目をつけられてしまいます」。一発芸を断ることで、先輩や同級生たちとの人間関係を壊したり、教授をはじめ学科全員が集まる場を白けさせてしまったりすることを、入学したばかりの新入生がどうしてできるだろうか。

 投稿者自身は、別の美術系大学で、実習助手(助教?)らによる個人的な好き嫌いに端を発した理不尽かつ執拗なパワーハラスメントが横行していると聞いたことがある。しばらく(コロナ?)前とはいうものの、これでは、ハラスメント対策が義務化される前の、古い体質の企業における、新人歓迎会や職場でのパワハラと何ら変わらないかもっと酷いのではないだろうか?2025年現在、東京芸術大学各科の新入生歓迎会がどうなっているのか、是非内部の学生諸君からの報告と大学当局の見解を聞きたいものである。

藝大美大(に限らないが、、、)を目指す子弟をお持ちの親世代の方、知人などに内情を尋ねたり、志望大学の口コミなどの評判などを良く調べ、リスク回避を試みた方が良いのは間違いない。

 

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(2)

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(2)

 昔のことだから、大したこともしてないから 逃げられると思っている多くの「隠れ加害者へ」ーいつ告発が来るかもしれません!謝罪は今からでも遅くないのでは? もしくは今しがみついている役職からさっさと退場しては?それでも、告発されることは減るかも知れないですが、一生性暴力の罪は消えません(民事では賠償の対象になり得ます)!

前の記事(2022年2月22日投稿―(1))からはや3年もたってしまい、この間の怠慢をお詫びしたいと思います。この(2)の記事では、旧聞に属しつつある2023年の幾つかの客観的な(大手マスコミを中心とする)報道記事をもとに、「芸術系」の諸事件を報告・告発していきたいと思います。念のため改めて宣言しますが、私たちの姿勢は一貫して、出来る限り客観的な報道記事等に基づいて作成しており、根拠不明なSNS記事をさらに拡散するようなことは絶対行いません。

まず、元となる報道記事の最初は以下のものです。

早稲田大学セクハラ事件のコメントに反響…あー地獄、もう傍観者になるのはやめよう」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/321530

この記事は、前の記事で「2番目の事件」として告発したケースの続編です。元々の記事は

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15167321.html?_req

ですが、上の「日刊ゲンダイ」の記事は、福岡県出身の音楽プロデューサー、作詞家、作曲家である松尾潔さん(1968年福岡県生まれ)の連載コラム「松尾潔のメロウな木曜日」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/4408

(ちなみにそのコラムは惜しくも今年1月30日に打ち切られてしまった(泣!)。NHK-FMの番組も!何てことだ!)の#30である。松尾さんのコラムから少し長いが引用させてもらうことにする。実名などがはっきり入っているので:2023年4月のこの事件に関する東京地裁判決に関連し、

判決は、早⼤⼤学院で指導教官だった⽂芸評論家の渡部直⼰⽒(71)からセクハラを 受け、⼤学も適切さを⽋いた対応をしたとして、現代⽂芸コースの元院⽣で詩⼈の深沢レナ(筆名)⽒(32)が渡部⽒と早⼤に計660万円の損害賠償を求めた訴訟に対してのもの。訴状には、16年⼊学の深沢⽒は、渡部⽒からふたりきりでの⾷事などを求められ、 17年には「俺の⼥にしてやる」と⾔われたとある。⼤きな精神的ダメージを受けた彼⼥は授業から⾜が遠のき、18年3⽉には退学。その後相談した学内のハラスメント防⽌室は、退学者の訴えは取り上げないと受け取れる対応をしたという。東京地裁は双⽅に合わせて約60万円の賠償を命じた。⼀⾒勝訴のようでいて、この数字は安い。安すぎる。年間授業費にも満たぬ⾦額、と書けばわかりやすいか。しかも深沢⽒はセクハラに加えて教員の⽴場を利⽤したアカデミックハラスメントもあったと訴えていたが、東京地裁はその主張を退けた。「たった⼀度の過ち、冗談を⾔っただけ」という渡部⽒の説明に納得しかねる彼⼥は、判決後の記者会⾒で「セクハラはたった⼀度の過ちなどではありません。被害者のその後の⼈⽣を決定的に変えてしまいます」と語った。

⼀⽅の渡部⽒はどうか。この問題を受けて18年7⽉には教授を解任された渡部⽒だが、 すでに「復権」を果たしているとぼくの⽬には映る。翌19年には早くも主要⽂芸誌で健筆を振るっていたし、先⽉刊⾏されたばかりの単著に⾄っては、柄⾕⾏⼈(81)と蓮實 重彦(86)というこの国の「知の巨⼈」ツートップ(本当に?)がそろって帯に推薦⽂を寄せているのだ。権威中の権威のお墨付きを得た敵。深沢⽒の⼼痛はいかばかりか。同情を禁じえない。

(中略)

記者会⾒で深沢⽒は「ハラスメントによって奪われるのは修⼠号のように⽬に⾒える形のものだけではありません。わたしにとっては、それは⽂学でした」と述べた。ぼくは彼⼥よりハートが強かったわけでもない。もう⽂学なんて距離を置けばいいやと思えたのは、たまたま⾃分には⾳楽があったから。⼤学に⽂句を⾔うわけでもなく⾳楽に逃げたぼくもまた、渡部⽒のような尊⼤な教員をのさばらせることにきっと加担していたのだ。 「最⼤の悲劇は悪⼈の暴⼒ではなく善⼈の沈黙であり、沈黙は暴⼒の陰に隠れた同罪者で ある」──キング牧師の⾔葉を思い出す。傍観者になるのはやめ、勇気をもって声を上げ よう。難しいことだけどね。気づけば⾃分より若い⼈に囲まれることが増えたぼくも、彼 らが何か⾔い出せない雰囲気を作っていないかどうか気をつけながら⽇々を積み重ねていきたい。  

最後に。早⼤は賠償⾦60万円とは別に深沢⽒に学費を全額返還せよ。そして現代⽂芸コースは彼⼥に謝罪すべし。話はそれからだ

 まさに正鵠を得たコラムであり、私自身も傍観者であることをやめ、何度も立ち上がる気力と勇気をもたねばならないとつくづく思う。

大学教員採用時ハラスメント処分歴の調査・確認・対処徹底の動き!現教員、特に幹部(執行部)教員へこの動きを速やかに拡大すべき!?(2)

大学教員採用時ハラスメント処分歴の調査・確認・対処徹底の動き!現教員、特に幹部(執行部)教員へこの動きを速やかに拡大すべき!?(2)

民間のDBS議論

NHKの解説記事

https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/487681.html

によれば「日本版DBS」とは、子どもと接する職業に就く際、性犯罪歴がないことの証明を求める新たな仕組みであるとされている。(以下記事から、文章と図面を引用)、、、「DBS(=Disclosure and Barring Service)」はディスクロ―ジャー・アンド・バーリング・サービス、前歴開示・前歴者就業制限機構の略で、それぞれの単語の頭文字をとって「DBS」と呼ばれています。子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないことを確認する制度で、すでにイギリスで導入されています。
 制度の概要は、まず子どもに関わる職業や活動を行う事業者が就業を希望する人の承諾を得てDBSに性犯罪歴などのチェックを依頼します。DBSは裁判所や警察の情報などを照会し、仕事に就きたい人本人に証明書を発行。事業者にも通知します。これによって性犯罪歴がある人の採用を未然に防ぐことができます。

現在のところ、子ども家庭庁の有識者会議から制度の方向性を示す報告書が出された段階であるが、議論が煮詰まらず先の国会での法案提出・成立には至らなかった。今後議論を詰めるべき課題としては、制度の対象をどの範囲まで広げるか、或いは過去の犯罪歴を遡るとき、どの時点まで問題にするのかなどがある。

これらの資料を見ると、制度適用の範囲として1)教育に関する職種(いわゆる教員から関与する事務職員、雑用係まで?)と2)「性犯罪の中身」(通報、不起訴・起訴、執行猶予、無罪・有罪)についての慎重な議論と線引きが必要になると考えられる。その一方で、大学教員についてはどうあるべきなのか?われわれの見解は

新採教員のセクハラ歴のチェックだけで十分か?大学版DBSの導入を!?

というものである。以下その方針と理由を説明する:

具体的には、この調査・確認・対処方針を次の3つの方向に拡張すべきである:

1)新たに教員として採用しようとする人をチェックするなら、その前にチェックする側、即ち全ての国公市立大学現教員のハラスメント調査を並行してやり、結果を公表すべきである。

2)特に(まずは)全所属教員を「管理指導」する立場の執行部メンバーのハラスメント履歴を丁寧に調査し、結果を速やかに(一般教員の結果より先に)公表すべきである。何故なら、執行部教職員は、教育・研究者としての高い実務能力に加え、高度な管理能力と道徳的規範や倫理性が求められる立場にあるからである。また公的・私的に発言する機会も多くその社会的影響力は無視出来ない。まさに、鯛は頭から腐るからである。

3)そして、ハラスメントの処分歴のある者は言うまでも無く、以前通報されたもの、疑わしい事例に関与したものへは、過去事例の徹底再調査をさらに進め明確なハラスメント行為が確認された場合は、直ちに辞職勧告を行うべきである。

 即ち、新規(若手)教員の採用時に前歴を調査し選考の基準の一つに使うなら、まずは今大学に籍のある教員・研究者がその資質に関し自ら点検する姿勢が必要である、と考えられる。なぜなら、このブログでも散々指摘してきたように、現教職員によるハラスメントにより、日々学生や教職員の被害者が再生産され続けており、自死事件も度々起こっているからである。さらなる問題は、次の点である:文科省の「指示」により、全ての大学でハラスメント相談を受け付ける機関や相談について「審議」する組織は一応設置されているが、現場の声を聞くと、事実上機能していない場合が殆どである。原因は「加害者」の抵抗により、「審議会」で問題が棚上げにされたり放置されている間に、被害者学生・教職員は卒業・自死・強制退職していき、加害者側はハラスメントがなかったことになるという状況が再生産されている。この意味で、残念ながら大学にはこれらの問題に関し、当事者能力は皆無で、その状況を解決するための第三者委員会は大学では殆ど設置されない。また時々噂を聞く、大学の学長選考に関する派閥争いや軋轢は大規模なパワーハラスメントの格好の舞台であり、大学全体の力が著しく削がれていることも多い。

 ハラスメント問題に関して大学という知の殿堂、或いは高い教育理念を持つ組織にふさわしい当事者能力を絶えず形成・更新して行く第一歩として、まずは自らのハラスメント履歴の点検・公開・それに基づく処分を早急に進めるべきである。近い将来、この面での大学の姿勢が研究成果や学生・大学院生を育てる実績以上に、受験生・保護者のみならず社会から評価されるときの重要な指標となると考えられる。或いは大学評価の重要な位置基準になると考えられる。

 このことは、多くの会社・メーカーの社会的評価が色々な面(原材料の調達・サプライチェーン、廃棄物排出が及ぼす環境影響、労働者の働き方・広義の労働条件など)で人権を尊重する姿勢が一貫しているか、で議論され始めているのと対応している。

 

大学教員採用時のハラスメント処分歴の調査・確認・対処徹底の動き!現教員、特に幹部(執行部)教員へ速やかに拡大すべきでは!?

大学教員採用時ハラスメント処分歴の調査・確認・対処徹底の動き!現教員、特に幹部(執行部)教員へこの動きを速やかに拡大すべき!?(1)

性暴力やハラスメントの処分規定、詳細把握へ 文科省が 国立大調査 2023年6月2日 朝日新聞

 (以下一部引用)全国の大学で性暴力やハラスメントによる教員 らの懲戒処分の公表が相次ぐ中、文部科学省が 国立大学を対象に、具体的な処分規定の有無や 公表の基準などについての実態調査を始めたということである。 相談窓口の設置状況(全ての大学に設けられてはいるが)については隔年で調査して いたが、処分規定の詳細など、より具体的な取り組み状況を把握する調査は初めて、ということである。

 調査は昨年11月の通知「セクシュアルハラスメント を含む性暴力等の防止に向けた取組の推進について」を受け各大学の取り組み状況を把握するもので、結果は(2023年)夏をめどにまとめるようである。今後、公私立大にも対象を拡大して調査する方針も出されており、今後調査結果(以下の記事)にも注視していく必要がある。

https://digital.asahi.com/articles/ASR625RPZR62UTIL01Z.html

この調査結果(の一部)と思われる報道が以下の2つの記事である:

教員の採用時 国立大の6割は性暴力や懲戒処分歴を確認せず…文科省は対策強化を求める 2023年9月29日 読売新聞

   (以下引用)【文部科学省は29日、国立大学でのセクハラや性暴力防止の取り組み状況について初の調査結果を公表】 国立大の約6割が、教員の採用時に学生への性暴力による懲戒処分歴を確認していなかったという。この結果を受け、文科省は同日、大学に通知を出して対策強化を求めた。公立や私立大に対しても同様の調査を行う方針らしい。調査は6月に実施され、全国立大86校が回答した。教員採用時に、過去の懲戒処分歴について具体的な申告を求めていたのは32校で、50校が実施していなかった。残りの4校は一部の部局だけで申告を求めていた。全86校が、セクハラや性暴力が懲戒処分の対象であると学内規則などで示していると回答。悪質性の高いセクハラや性暴力について重い処分を行うことを明記しているのは70大学だった。懲戒処分の基準に、学生に対するハラスメント行為も適用対象となることを記載していない大学は31校あったという。文科省は通知で、▽セクハラと性暴力を区別した上で、

▽処分の基準や学生に対する行為も処分の対象となることを学内規則に明記

▽懲戒処分を原則公表

▽教員採用時に懲戒処分歴を確認――

などを各大学に要請したという。文科省は「社会全体で性暴力への厳正な対処や被害の防止が求められている。大学でも学生が安心して学べる環境を確保したい」としている。

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20230929-OYT1T50289/

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230930/k10014211691000.html

 これらの結果を受けて国立大学協会は2023年10月13日、国立大学におけるセクシュアルハラスメントを含む性暴力等の防止について (声明)を発表した。以下にその全文を関連記事と共に示す:

国立大学の教員採用で「セクハラや性暴力による懲戒処分歴の確 認」求める。国大協が声明、50校で未実施 2023年10月23日 Huffpost日本版

(以下引用)国立大学協会は10月23日までに、国立大での性暴力を防 ぐため、教員の採用段階で過去にセクハラや性暴力を理由 とする懲戒処分歴がないか確認することを各大学に求める 声明を発表した。教員の採用の際、性暴力が理由の処分歴の申告を求めてい ない国立大は過半数を占めることから、多くの大学が対応 を迫られる見通し。【金春喜 / ハフポスト日本版】

 国大協の永田恭介会⻑(筑波大学⻑)は声明で「大学での学生に対するセクハラを含む性暴力などは、学生の心身と尊厳を傷つけ、人権を侵害する行為で、断じて許されるものではない」と指摘。その上で、「セクハラや性暴力などを決して見逃さず、許さないという姿勢と実効的な取り組みを一層明確にする必要がある」と述べた。具体的な対策として、教員採用の際に処分歴を確認することのほか、加害者側への懲戒処分の基準を迅速に明示することなどを挙げた。各大学で「遺漏なく、確実に進めることを強く希望する」と強調した。

 この調査結果を踏まえ、同省は9月、全国の国公私立大に積極的な対策を求める通知を発出。 学内規則の見直しや、採用プロセスでの処分歴の確認を含む加害者側への厳正な対処を要 請した。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_65321cc3e4b00cb3c696e196

 この国立大学協会の声明は、極めて妥当な内容であり、世間では「当たり前になりつつあること」を確認しているに過ぎない。今これが出されたのは、昨年来文科省がこの問題に関連して相次いで通知を出してきたことを背景にしている一方、遅々として進まない各大学の鈍い動きに危機感を感じたからに他ならない。この意味で、各大学はこの問題に真摯に取り組まざるを得なくなったと言える。近い内に「取組」の検証もあると思われる。

 ここで一つ気になるのが最近議論が増えている小中学校や塾などの「教職員」に関する民間のDBS議論である。(2)ではDBS議論の確認と各大学がこの問題に関して今後、取り組みを継続し、発展させるべき方向について議論・提案する。

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(1)

昔のことだから、大したこともしてないから 逃げられると思っている多くの「隠れ加害者へ」ーいつ告発が来るかもしれません!謝罪は今からでも遅くないのでは?

(1)朝日新聞の一、二面記事

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15167368.html?_req

学内セクハラ、整わぬ相談体制 大学が被害調査、説明・謝罪なし

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15167321.html?_req

ハラスメント対応、募る不信感 教授「俺の女に」、懲戒処分なく

☝️某医療系大学のキャンパス

 これらの記事では、九州にある医療系の大学(九州保健福祉大学、延岡市)を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こしている宮崎県の女性と、東京都内の私立大学の大学院生のとき教授によるセクハラにより中退させられ、やはり損害賠償請求訴訟を起こしている女性が取り上げられている。

最初の事件は以下にも詳しいが、

https://mainichi.jp/articles/20211014/ddl/k45/040/277000c

https://mainichi.jp/articles/20211029/ddl/k45/040/221000c

http://university.main.jp/blog/

(以下引用)

 指導教授からセクハラを受け始めたのは、母校の大学院に入学した6年前である。入学から半年後辺りから、タクシーの中で手や足を触られたり、忘年会の二次会で体を触られるようになり無理やりキスされた。そのため、精神的に不安定になり、心療内科を受診。うつ病と診断される。

 しかし大学にはハラスメント相談窓口が無く、ホームページ掲載の、兼務で相談に乗る教員に相談したところ、調査委員会への申し立てが必要と言われた。その後躊躇していると、その教授が、女性とのことは男女間のもつれだったと大学に説明したことを耳にする。怒りがこみ上げ、(2017年8月)調査委員会に訴えたが、3か月たっても大学からは何の説明もなかった。不安が募り弁護士を通じて尋ねると、やっと調査委員会の開催された日時、報告書がまとまったこと、処分については検討中、処分になったら通知する、という内容の書面が示された。調査委員会は、教授のセクハラを認め、懲罰委員会は教授を停職1か月の懲戒処分とした(2018年1月。女性がこのことを知らされたのはさらに3週間後)。

 大学からはこれまで謝罪の言葉はなく、相談後も、申し立てるまでは対応してくれなかったことに納得できず、2018年3月訴訟に踏み切る。2021年10月に出た宮崎地裁延岡支部の判決は、教授の行為をセクハラと認め、教授と大学に慰謝料など132万円の支払いを命じた。一方で、大学が適切な事後対応を取らなかったという点については認めなかった。女性と大学はともに控訴している。

 これに関連して、大学側の更に許せない点は、その教授の懲戒処分直前(2017年12月)に、この女性とパートナーを含む4人にいきなり雇止めを通告してきたことである(2018年1月5日)。表向きの理由は博士号が無いこと等としているが、セクハラ告発に対する報復以外の何ものでもないことは明らかである。懲戒処分を受けた教授は在籍したままであるのに。この雇止めに対する地位保全の請求に関し、2019年2月に同延岡支部は雇止め無効の仮処分を下している。これに対し大学側は、仮処分決定に応じない上、更に裁判で争う姿勢である。ちなみに、2020年6月に九州保険福祉大学運営の学校法人の理事長に就任したのは、加計勇樹氏という人物で、名前からもわかるとおり、岡山で岡山理科大学を経営し、安倍の後ろ盾で強引に香川県に獣医大学を作った加計一族の一員である。岡山、香川と同様に、地域で存在感のあることを良いことにやりたい放題である。まさに一族の醜い体質が現れていて、今後の裁判闘争にも注目し、厳しい眼を向けていかねばならない。現在、大学のHPにはキャンパスハラスメントへの注意喚起が呼びかけられているが、

九州保健福祉大学HPにあるハラスメントへの取り組みページ

まずはこの問題に関し、関連被害者らの復職・未払い賃金の支払いと加害教授の解雇を進め、公的予算の支援を受けている延岡地域・宮崎県の住民に説明責任を果たすべきであろう。加害教員も大学の強硬姿勢に隠れて逃げ切りを謀るべきでなく、即刻辞任すべきである。被害職員や心ある学生や地域の人々は決して忘れない。

https://digital.asahi.com/articles/ASM346JXHM34TNAB00S.html?iref=pc_ss_date_article

(2019/3/6) 雇止め無効の仮処分、元助教ら会見「大学に憤り」

https://digital.asahi.com/articles/ASM345R22M34TNAB00K.html?iref=pc_ss_date_article

(2019/3/6) 助教夫妻、同時に無職に 第2子出産…大学と争った1年

https://digital.asahi.com/articles/ASM4K42R7M4KTNAB00B.html?iref=pc_ss_date_article (2019/4/17) 雇い止めで大学を提訴 セクハラ告発の元助手ら4人

https://digital.asahi.com/articles/ASMDR31PHMDRTNAB003.html?iref=pc_ss_date_article (2019/12/28) 九保大雇止め訴訟 仮処分1年、まだ復職出来ず

https://digital.asahi.com/articles/ASN105HZ0N10TNAB00H.html?iref=pc_ss_date_article

(2020/2/1) 大学側の異議申し立て認めず 雇止めで地裁支部

(以下引用)

 2番目の事件では、被害者の女性は大学院生の時指導する男性教授方セクハラを受けた(「俺の女にしてやる」など暴言)。コース主任の教授に相談したら、「あまり外では言わない方がいいよ」と言われ(その結果)、女性は教授への恐怖や大学への不信感からほとんどの授業に行けなくなり、中退した。

 中退後の2018年4月、意を決して大学のハラスメント防止室に相談。だが、中退者の申立は受けない場合もあると伝えられ、家族と一緒に書面で大学の総長に直訴した。大学側は申し立てから1か月後に教授の調査報告書をまとめ、「俺の女、、、」発言などはセクハラに当たると認定し、教授を解任した(退職金は出る!)。主任については「隠蔽の事実は認められないが、誤解を招く発言があった」として訓戒処分とした。

 だが、女性と教授・主任の言い分の食い違う部分は認められなかった。なぜ懲戒処分ではないのか?主任は(ハラスメントを)隠蔽しようとしたのでは?これらについて納得がいかず、調査委員会のメンバー構成を尋ねたが、「外部の弁護士も加えたとは伝えられたが詳しい構成は教えてもらえず。再調査を求めても認められなかったため、2019年6月、女性は元教授と大学を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こした。現在は、係争中を理由に、元教授も大学もダンマリを決め込んでいる。この訴訟の行方も是非注目していきたい。

 この事件については改めて詳しく扱うが、なぜこういうことが今頻発しているのか。この点に関し記事の最後では、全国のほとんどの大学でハラスメント対策が実施されていて(ハラスメントの定義が成文化され、防止についての呼びかけ、研修などを行う)相談窓口も設置されているのに、それらが実質的に機能していないことを挙げている。本ブログでも、開設当初からその問題点は一貫して指摘続けてきた。この問題を克服するためには、現状では、当事者には多大な精神的・経済的負担になるが、司法の場に持ち込むしかないかも知れない。まさに、次の記事がその典型であるが。

大学生へのハラスメント 文科省、学内の第三者相談体制巡り初の調査 – 毎日新聞

甲南大学事件に関連して5月に行った、国会参議院文教委員会での立憲国会議員と文部科学大臣・局長との間で行われた質疑

【『甲南大学のハラスメント・2018被害者学生自死事件』を2021年国会の場で問う】

に関し、毎日新聞に新しい記事が掲載されましたので紹介します(2021年9月8日):

毎日新聞記事