強引な人事潰しはパワーハラスメントに他ならない (1)

ある大学で若手の助(准)教授であったAさんは、大型実験装置の導入を進める一方で、上司の許可を得て助教採用の準備を進めていて、出身大学からの候補者に絞りその採用が目前になっていた。ところが、その段階でいきなり横槍が入り、その人事を棚上げ〔中止?〕せざるを得なくなった。理由は退職目前の教授の他大学からの赴任があり、当初研究はしないはずであったその教授が、研究もしたいので急きょ助教が欲しいと言い出したことによる。Aさんは関係者への説明と謝罪に忙殺された上、自分の研究プロジェクトの頓挫・方針変更などによる心労のため、数か月間強いストレスを受けたのち、心筋梗塞を発症し急逝された。

パワハラ事例 [p1801-180428] (1) (北信越、教育機関)(資料有、特定開示可能)

ご家族の手紙 1

これは、不幸な事件発生後かなりの時間が経過した後、当事者ご家族から元同僚の教員あてに出された手紙で、事件にかかわった関連教員の無責任な対応とそれに対する静かな憤りが感じられる。

ご家族の手紙 2

これは、手紙 1にある勇気をもって最初にご家族から学長あてに出された手紙で、事件を巡る大学側の理不尽な対応と調査要請が述べられている。

ご家族の手紙 3

手紙 2に対する対応として当該学長がご家族に面会に来た後、再度学長あてに出された手紙である。事態は何ら解決されず、被害者や手紙をよこす家族はむしろ厄介者扱いで、「何もなかった」としてさっさと収束させたいという大学側の思惑が透けて見える。