キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(4)

性交中のコンドーム外し有罪判決 「強要罪」該当とオランダ裁判所

共同通信社 によるストーリー(2023/3/15)

【アムステルダム共同】オランダ南部ドルドレヒトの裁判所は14 ⽇、性交渉中に相⼿の同意なくコンドームを外したのは「強要罪」に当たるとして、28歳の男に執⾏猶予付きの有罪判決を⾔い渡した。地元メディアなどが伝えた。AP 通信によると、ドイツ・ベルリンの裁判所が2018 年、同意なくコンドームを外したとして性的暴⾏の罪で警察官に有罪判決 を下すなど、他国でも処罰化の動きがある。 今回の判決は、相⼿の⼥性がコンドームなしで性交渉をしたくないと事前に⾔っていたにもかかわらず、男は断りなく外し、⼥性を性感染症や望まない妊娠のリスクにさらしたと指摘した。性交渉⾃体の同意はあったと認めた。

*性行為中に、合意に基づかずに、コンドームを密かに取り外したり損傷させたりする行為はステルシング(: stealthing) と呼ばれる。 性的暴行・レイプと見なされ得るもので、生殖的強制の一種とされる。

関連する記事・判決は、古くは2018年にドイツでhttps://www.cnn.co.jp/world/35130541.htmlがある:

(中略)同報道担当者によると、被告の警官は今月11日、執行猶予付きの禁錮8カ月、賠償金3000ユーロ(約37万8000円)と被害を受けた女性の性的な健康に関する医学的検査の費用96ユーロの支払いを命じる判決を受けた。被告は上訴する方針を表明した。

最近では2021年ニュージーランドでhttps://courrier.jp/news/archives/242112/のような記事:

(中略)ステルシング自体は以前からあったが、それが性犯罪であるという認識が広まったのは、ここ数年のことだ。「メルボルン・セクシャル・ヘルスセンター」の研究者による2018年の調査結果では、男性と性行為をした女性の3人に1人、男性の5人に1人が、性交中にステルシングをされていると、報告されている。

昨年英国ではhttps://www.afpbb.com/articles/-/3524231:

(中略)【6月14日 AFP】英国の裁判所は13日、性行為中に相手の同意を得ずにコンドームを外したとして、ロンドン南部在住のガイ・ムケンディ(Guy Mukendi)被告(39)に禁錮4年3月の判決を言い渡した。同被告は4月に有罪を言い渡されていた。

だが日本で性犯罪にならない可能性が有るようだ:https://diamond.jp/articles/-/347920

日本でも一刻も早く性犯罪として認められ、性病罹患者によるレイプなどと合わせて、性的強要罪・傷害罪として起訴され厳罰が下されるようになることを願う。

 世の中の、特に男性諸君、「生が好きだ!」とか言って避妊具無しの性交をパートナーに強要していませんか?断じてやってはいけません。また自分自身のみでなく、例えば自分の子供たちにもきちんと性教育をし、性犯罪を起こさせないように気を付けないといけません。但し、「令和5年度の人工妊娠中絶件数のうち、20歳未満が10053件、一方で40歳~44歳の件数が11170件だったといいます」。以下の記事には、親にこそまず性教育が必要では?という見解もありますhttps://forzastyle.com/articles/-/73960

 

 

 

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(3)

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(3)

 昔のことだから、大したこともしてないから 逃げられると思っている多くの「隠れ加害者へ」ーいつ告発が来るかもしれません!謝罪は今からでも遅くないのでは? もしくは今しがみついている役職からさっさと退場しては?退場しても、告発されることは減るかも知れないが、性犯罪の罪は一生消えませんが(民事では賠償の対象になり得ます)!

2番目の注目記事は以下のものである:https://bunshun.jp/articles/-/60020(#4)

「何だ、文春の記事か?」と斜に構える方もおられるかと思うが、これが含まれる一連の記事(#1~4)は猪谷千香氏(弁護士ドットコムニュース記者)の最近の著書ギャラリーストーカー-美術業界を蝕む女性差別と性被害 https://www.amazon.co.jp/dp/4120056163? から一部抜粋の形で構成されたものである。#1~3、#1: https://bunshun.jp/articles/-/59913、#2: https://bunshun.jp/articles/-/59914、 #3: https://bunshun.jp/articles/-/60019も全く酷くかつおぞましい内容であるが、ここで扱う#4は天下の東京芸術大学における信じられないような話である。他の(日本の?)芸術系大学でもよく似たことが頻発しているのであろうか?#4の記事のタイトルは『新入生に「性的な一発芸」を強要する“東京藝大のヤバさ”「露出の多い衣装、亀甲縛りも」「ショックでした」』である。教育機関ではあまり表っては聞かれない「用語」も混じるので、そのリアルさを感じてもらうために本文から何カ所か引用する:

#1~3では、(以下青字=引用)美術業界で権力を握る美術家やキュレーター、学芸員による、女性作家に対する壮絶なセクハラや性暴力の実態 が紹介されたが、そうした作家たちの中には、学生時代から同じ大学の先輩や教員らからハラスメントを受けているケースも少なくないということだ。美術業界に人材を輩出してきた芸術大学や美術大学と呼ばれる専門の教育機関において、である。

まさにその種のハラスメントの具体例を本記事は報告している。上原さん(女性、引用者注)は取材時、まだ20代。たった数年前の新歓で新入生だった上原さんの心を打ち砕いた「テリブル」(酷い)なこととは何だったのだろうか。彫刻棟にはアトリエが備えられており、体育館のように天井が高く、大型の彫刻でも設置できるようなスペースになっている。普段は仕切りがあるが、新歓のときはそれを取っ払い、学生らが全員入れるように空間がセットされる。アトリエの前方にはステージが用意され、教授陣には「観覧席」が設けられ、学生たちはステージと教授たちの間に置かれた低いテーブルの前に座るというスタイルがお決まりなのだという。

あまりに性的で、ありえない新入生歓迎会

 新入生を迎えるための会に、なぜステージがあるのか。

 彫刻科の新歓では毎年、新入生は全員、一発芸をしないといけないんです。一発芸は大体、セクシャルなもので、それも男性が喜ぶようなものです。たとえば、男子学生が音楽に合わせて一枚ずつ着ている服を脱いでいくのですが、服の下に何枚もパンツを履いてたり……。女子学生はレオタードやスクール水着など、できるだけ身体が露出するような衣装を身につけたり、亀甲縛りをした女子学生もいました。ショックでした」

 大学生の新歓にふさわしくないワードが飛び出して驚き、思わず「亀甲縛りとは、SMプレイでみるあれですか」と確認してしまった。「はい。SMのあれです。私たちのときは、グループで一発芸をすることは許されなくて、1人ずつやらされました」

 上原さんも、身体のラインがはっきり出るような衣装を着て、モノマネの一発芸を披露させられた。ショックを受ける上原さんに、さらに追い討ちをかけたのは、一発芸のあと、司会をしていた3年の男子学生から、胸のサイズを聞かれたことだった。すでにお酒が入り、酔っていた男子学生の言葉に、多くの学生が笑っていた。

一発芸を断れない理由は「美大特有の空気」

 事前に一発芸を断ることはできなかったのだろうか、と疑問を持つが、それも難しかったという。

「藝大や美大を受験するための予備校大手は3つしかありません。浪人生も多いので、学生の間には、入学前から予備校時代にできた上下関係があります。新歓の時には、予備校時代の先輩たちから、こういうのやりなよ、と一発芸の指示が飛んできます。私にも1学年上の先輩から指示がありました。もちろん嬉々としてやる学生もいますが、多くの新入生が雰囲気に飲まれて、『やりたくないです』と言える空気ではありませんでした。先輩たちは新入生のノリをみて、『あいつら使えるかどうか』という判断をします。それで、その後の評価が決まってしまうので、嫌とは言えないのです」

 美術業界の特殊性は、予備校時代からの人間関係が大学でも続き、場合によっては卒業後の作家活動にも影響することにある。作家たちは自由に創作活動をおこない、作品だけで勝負しているというイメージが強いが、実は予備校や大学時代からの人脈で仕事をする場面が少なくない。

本当に恐ろしい業界だ!

 (中略)「100人とか200人いるような学科であれば、1人欠席しようが誰も気にしないと思うのですが、20人の中の1人だと、『あの子いなかったよね』と言われて、目をつけられてしまいます」。一発芸を断ることで、先輩や同級生たちとの人間関係を壊したり、教授をはじめ学科全員が集まる場を白けさせてしまったりすることを、入学したばかりの新入生がどうしてできるだろうか。

 投稿者自身は、別の美術系大学で、実習助手(助教?)らによる個人的な好き嫌いに端を発した理不尽かつ執拗なパワーハラスメントが横行していると聞いたことがある。しばらく(コロナ?)前とはいうものの、これでは、ハラスメント対策が義務化される前の、古い体質の企業における、新人歓迎会や職場でのパワハラと何ら変わらないかもっと酷いのではないだろうか?2025年現在、東京芸術大学各科の新入生歓迎会がどうなっているのか、是非内部の学生諸君からの報告と大学当局の見解を聞きたいものである。

藝大美大(に限らないが、、、)を目指す子弟をお持ちの親世代の方、知人などに内情を尋ねたり、志望大学の口コミなどの評判などを良く調べ、リスク回避を試みた方が良いのは間違いない。

 

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(2)

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(2)

 昔のことだから、大したこともしてないから 逃げられると思っている多くの「隠れ加害者へ」ーいつ告発が来るかもしれません!謝罪は今からでも遅くないのでは? もしくは今しがみついている役職からさっさと退場しては?それでも、告発されることは減るかも知れないですが、一生性暴力の罪は消えません(民事では賠償の対象になり得ます)!

前の記事(2022年2月22日投稿―(1))からはや3年もたってしまい、この間の怠慢をお詫びしたいと思います。この(2)の記事では、旧聞に属しつつある2023年の幾つかの客観的な(大手マスコミを中心とする)報道記事をもとに、「芸術系」の諸事件を報告・告発していきたいと思います。念のため改めて宣言しますが、私たちの姿勢は一貫して、出来る限り客観的な報道記事等に基づいて作成しており、根拠不明なSNS記事をさらに拡散するようなことは絶対行いません。

まず、元となる報道記事の最初は以下のものです。

早稲田大学セクハラ事件のコメントに反響…あー地獄、もう傍観者になるのはやめよう」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/321530

この記事は、前の記事で「2番目の事件」として告発したケースの続編です。元々の記事は

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15167321.html?_req

ですが、上の「日刊ゲンダイ」の記事は、福岡県出身の音楽プロデューサー、作詞家、作曲家である松尾潔さん(1968年福岡県生まれ)の連載コラム「松尾潔のメロウな木曜日」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/4408

(ちなみにそのコラムは惜しくも今年1月30日に打ち切られてしまった(泣!)。NHK-FMの番組も!何てことだ!)の#30である。松尾さんのコラムから少し長いが引用させてもらうことにする。実名などがはっきり入っているので:2023年4月のこの事件に関する東京地裁判決に関連し、

判決は、早⼤⼤学院で指導教官だった⽂芸評論家の渡部直⼰⽒(71)からセクハラを 受け、⼤学も適切さを⽋いた対応をしたとして、現代⽂芸コースの元院⽣で詩⼈の深沢レナ(筆名)⽒(32)が渡部⽒と早⼤に計660万円の損害賠償を求めた訴訟に対してのもの。訴状には、16年⼊学の深沢⽒は、渡部⽒からふたりきりでの⾷事などを求められ、 17年には「俺の⼥にしてやる」と⾔われたとある。⼤きな精神的ダメージを受けた彼⼥は授業から⾜が遠のき、18年3⽉には退学。その後相談した学内のハラスメント防⽌室は、退学者の訴えは取り上げないと受け取れる対応をしたという。東京地裁は双⽅に合わせて約60万円の賠償を命じた。⼀⾒勝訴のようでいて、この数字は安い。安すぎる。年間授業費にも満たぬ⾦額、と書けばわかりやすいか。しかも深沢⽒はセクハラに加えて教員の⽴場を利⽤したアカデミックハラスメントもあったと訴えていたが、東京地裁はその主張を退けた。「たった⼀度の過ち、冗談を⾔っただけ」という渡部⽒の説明に納得しかねる彼⼥は、判決後の記者会⾒で「セクハラはたった⼀度の過ちなどではありません。被害者のその後の⼈⽣を決定的に変えてしまいます」と語った。

⼀⽅の渡部⽒はどうか。この問題を受けて18年7⽉には教授を解任された渡部⽒だが、 すでに「復権」を果たしているとぼくの⽬には映る。翌19年には早くも主要⽂芸誌で健筆を振るっていたし、先⽉刊⾏されたばかりの単著に⾄っては、柄⾕⾏⼈(81)と蓮實 重彦(86)というこの国の「知の巨⼈」ツートップ(本当に?)がそろって帯に推薦⽂を寄せているのだ。権威中の権威のお墨付きを得た敵。深沢⽒の⼼痛はいかばかりか。同情を禁じえない。

(中略)

記者会⾒で深沢⽒は「ハラスメントによって奪われるのは修⼠号のように⽬に⾒える形のものだけではありません。わたしにとっては、それは⽂学でした」と述べた。ぼくは彼⼥よりハートが強かったわけでもない。もう⽂学なんて距離を置けばいいやと思えたのは、たまたま⾃分には⾳楽があったから。⼤学に⽂句を⾔うわけでもなく⾳楽に逃げたぼくもまた、渡部⽒のような尊⼤な教員をのさばらせることにきっと加担していたのだ。 「最⼤の悲劇は悪⼈の暴⼒ではなく善⼈の沈黙であり、沈黙は暴⼒の陰に隠れた同罪者で ある」──キング牧師の⾔葉を思い出す。傍観者になるのはやめ、勇気をもって声を上げ よう。難しいことだけどね。気づけば⾃分より若い⼈に囲まれることが増えたぼくも、彼 らが何か⾔い出せない雰囲気を作っていないかどうか気をつけながら⽇々を積み重ねていきたい。  

最後に。早⼤は賠償⾦60万円とは別に深沢⽒に学費を全額返還せよ。そして現代⽂芸コースは彼⼥に謝罪すべし。話はそれからだ

 まさに正鵠を得たコラムであり、私自身も傍観者であることをやめ、何度も立ち上がる気力と勇気をもたねばならないとつくづく思う。

大学教員採用時ハラスメント処分歴の調査・確認・対処徹底の動き!現教員、特に幹部(執行部)教員へこの動きを速やかに拡大すべき!?(2)

大学教員採用時ハラスメント処分歴の調査・確認・対処徹底の動き!現教員、特に幹部(執行部)教員へこの動きを速やかに拡大すべき!?(2)

民間のDBS議論

NHKの解説記事

https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/487681.html

によれば「日本版DBS」とは、子どもと接する職業に就く際、性犯罪歴がないことの証明を求める新たな仕組みであるとされている。(以下記事から、文章と図面を引用)、、、「DBS(=Disclosure and Barring Service)」はディスクロ―ジャー・アンド・バーリング・サービス、前歴開示・前歴者就業制限機構の略で、それぞれの単語の頭文字をとって「DBS」と呼ばれています。子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないことを確認する制度で、すでにイギリスで導入されています。
 制度の概要は、まず子どもに関わる職業や活動を行う事業者が就業を希望する人の承諾を得てDBSに性犯罪歴などのチェックを依頼します。DBSは裁判所や警察の情報などを照会し、仕事に就きたい人本人に証明書を発行。事業者にも通知します。これによって性犯罪歴がある人の採用を未然に防ぐことができます。

現在のところ、子ども家庭庁の有識者会議から制度の方向性を示す報告書が出された段階であるが、議論が煮詰まらず先の国会での法案提出・成立には至らなかった。今後議論を詰めるべき課題としては、制度の対象をどの範囲まで広げるか、或いは過去の犯罪歴を遡るとき、どの時点まで問題にするのかなどがある。

これらの資料を見ると、制度適用の範囲として1)教育に関する職種(いわゆる教員から関与する事務職員、雑用係まで?)と2)「性犯罪の中身」(通報、不起訴・起訴、執行猶予、無罪・有罪)についての慎重な議論と線引きが必要になると考えられる。その一方で、大学教員についてはどうあるべきなのか?われわれの見解は

新採教員のセクハラ歴のチェックだけで十分か?大学版DBSの導入を!?

というものである。以下その方針と理由を説明する:

具体的には、この調査・確認・対処方針を次の3つの方向に拡張すべきである:

1)新たに教員として採用しようとする人をチェックするなら、その前にチェックする側、即ち全ての国公市立大学現教員のハラスメント調査を並行してやり、結果を公表すべきである。

2)特に(まずは)全所属教員を「管理指導」する立場の執行部メンバーのハラスメント履歴を丁寧に調査し、結果を速やかに(一般教員の結果より先に)公表すべきである。何故なら、執行部教職員は、教育・研究者としての高い実務能力に加え、高度な管理能力と道徳的規範や倫理性が求められる立場にあるからである。また公的・私的に発言する機会も多くその社会的影響力は無視出来ない。まさに、鯛は頭から腐るからである。

3)そして、ハラスメントの処分歴のある者は言うまでも無く、以前通報されたもの、疑わしい事例に関与したものへは、過去事例の徹底再調査をさらに進め明確なハラスメント行為が確認された場合は、直ちに辞職勧告を行うべきである。

 即ち、新規(若手)教員の採用時に前歴を調査し選考の基準の一つに使うなら、まずは今大学に籍のある教員・研究者がその資質に関し自ら点検する姿勢が必要である、と考えられる。なぜなら、このブログでも散々指摘してきたように、現教職員によるハラスメントにより、日々学生や教職員の被害者が再生産され続けており、自死事件も度々起こっているからである。さらなる問題は、次の点である:文科省の「指示」により、全ての大学でハラスメント相談を受け付ける機関や相談について「審議」する組織は一応設置されているが、現場の声を聞くと、事実上機能していない場合が殆どである。原因は「加害者」の抵抗により、「審議会」で問題が棚上げにされたり放置されている間に、被害者学生・教職員は卒業・自死・強制退職していき、加害者側はハラスメントがなかったことになるという状況が再生産されている。この意味で、残念ながら大学にはこれらの問題に関し、当事者能力は皆無で、その状況を解決するための第三者委員会は大学では殆ど設置されない。また時々噂を聞く、大学の学長選考に関する派閥争いや軋轢は大規模なパワーハラスメントの格好の舞台であり、大学全体の力が著しく削がれていることも多い。

 ハラスメント問題に関して大学という知の殿堂、或いは高い教育理念を持つ組織にふさわしい当事者能力を絶えず形成・更新して行く第一歩として、まずは自らのハラスメント履歴の点検・公開・それに基づく処分を早急に進めるべきである。近い将来、この面での大学の姿勢が研究成果や学生・大学院生を育てる実績以上に、受験生・保護者のみならず社会から評価されるときの重要な指標となると考えられる。或いは大学評価の重要な位置基準になると考えられる。

 このことは、多くの会社・メーカーの社会的評価が色々な面(原材料の調達・サプライチェーン、廃棄物排出が及ぼす環境影響、労働者の働き方・広義の労働条件など)で人権を尊重する姿勢が一貫しているか、で議論され始めているのと対応している。

 

大学教員採用時のハラスメント処分歴の調査・確認・対処徹底の動き!現教員、特に幹部(執行部)教員へ速やかに拡大すべきでは!?

大学教員採用時ハラスメント処分歴の調査・確認・対処徹底の動き!現教員、特に幹部(執行部)教員へこの動きを速やかに拡大すべき!?(1)

性暴力やハラスメントの処分規定、詳細把握へ 文科省が 国立大調査 2023年6月2日 朝日新聞

 (以下一部引用)全国の大学で性暴力やハラスメントによる教員 らの懲戒処分の公表が相次ぐ中、文部科学省が 国立大学を対象に、具体的な処分規定の有無や 公表の基準などについての実態調査を始めたということである。 相談窓口の設置状況(全ての大学に設けられてはいるが)については隔年で調査して いたが、処分規定の詳細など、より具体的な取り組み状況を把握する調査は初めて、ということである。

 調査は昨年11月の通知「セクシュアルハラスメント を含む性暴力等の防止に向けた取組の推進について」を受け各大学の取り組み状況を把握するもので、結果は(2023年)夏をめどにまとめるようである。今後、公私立大にも対象を拡大して調査する方針も出されており、今後調査結果(以下の記事)にも注視していく必要がある。

https://digital.asahi.com/articles/ASR625RPZR62UTIL01Z.html

この調査結果(の一部)と思われる報道が以下の2つの記事である:

教員の採用時 国立大の6割は性暴力や懲戒処分歴を確認せず…文科省は対策強化を求める 2023年9月29日 読売新聞

   (以下引用)【文部科学省は29日、国立大学でのセクハラや性暴力防止の取り組み状況について初の調査結果を公表】 国立大の約6割が、教員の採用時に学生への性暴力による懲戒処分歴を確認していなかったという。この結果を受け、文科省は同日、大学に通知を出して対策強化を求めた。公立や私立大に対しても同様の調査を行う方針らしい。調査は6月に実施され、全国立大86校が回答した。教員採用時に、過去の懲戒処分歴について具体的な申告を求めていたのは32校で、50校が実施していなかった。残りの4校は一部の部局だけで申告を求めていた。全86校が、セクハラや性暴力が懲戒処分の対象であると学内規則などで示していると回答。悪質性の高いセクハラや性暴力について重い処分を行うことを明記しているのは70大学だった。懲戒処分の基準に、学生に対するハラスメント行為も適用対象となることを記載していない大学は31校あったという。文科省は通知で、▽セクハラと性暴力を区別した上で、

▽処分の基準や学生に対する行為も処分の対象となることを学内規則に明記

▽懲戒処分を原則公表

▽教員採用時に懲戒処分歴を確認――

などを各大学に要請したという。文科省は「社会全体で性暴力への厳正な対処や被害の防止が求められている。大学でも学生が安心して学べる環境を確保したい」としている。

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20230929-OYT1T50289/

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230930/k10014211691000.html

 これらの結果を受けて国立大学協会は2023年10月13日、国立大学におけるセクシュアルハラスメントを含む性暴力等の防止について (声明)を発表した。以下にその全文を関連記事と共に示す:

国立大学の教員採用で「セクハラや性暴力による懲戒処分歴の確 認」求める。国大協が声明、50校で未実施 2023年10月23日 Huffpost日本版

(以下引用)国立大学協会は10月23日までに、国立大での性暴力を防 ぐため、教員の採用段階で過去にセクハラや性暴力を理由 とする懲戒処分歴がないか確認することを各大学に求める 声明を発表した。教員の採用の際、性暴力が理由の処分歴の申告を求めてい ない国立大は過半数を占めることから、多くの大学が対応 を迫られる見通し。【金春喜 / ハフポスト日本版】

 国大協の永田恭介会⻑(筑波大学⻑)は声明で「大学での学生に対するセクハラを含む性暴力などは、学生の心身と尊厳を傷つけ、人権を侵害する行為で、断じて許されるものではない」と指摘。その上で、「セクハラや性暴力などを決して見逃さず、許さないという姿勢と実効的な取り組みを一層明確にする必要がある」と述べた。具体的な対策として、教員採用の際に処分歴を確認することのほか、加害者側への懲戒処分の基準を迅速に明示することなどを挙げた。各大学で「遺漏なく、確実に進めることを強く希望する」と強調した。

 この調査結果を踏まえ、同省は9月、全国の国公私立大に積極的な対策を求める通知を発出。 学内規則の見直しや、採用プロセスでの処分歴の確認を含む加害者側への厳正な対処を要 請した。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_65321cc3e4b00cb3c696e196

 この国立大学協会の声明は、極めて妥当な内容であり、世間では「当たり前になりつつあること」を確認しているに過ぎない。今これが出されたのは、昨年来文科省がこの問題に関連して相次いで通知を出してきたことを背景にしている一方、遅々として進まない各大学の鈍い動きに危機感を感じたからに他ならない。この意味で、各大学はこの問題に真摯に取り組まざるを得なくなったと言える。近い内に「取組」の検証もあると思われる。

 ここで一つ気になるのが最近議論が増えている小中学校や塾などの「教職員」に関する民間のDBS議論である。(2)ではDBS議論の確認と各大学がこの問題に関して今後、取り組みを継続し、発展させるべき方向について議論・提案する。

キャンパス・スクールセクハラ性暴力前科者への警告ー(1)

昔のことだから、大したこともしてないから 逃げられると思っている多くの「隠れ加害者へ」ーいつ告発が来るかもしれません!謝罪は今からでも遅くないのでは?

(1)朝日新聞の一、二面記事

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15167368.html?_req

学内セクハラ、整わぬ相談体制 大学が被害調査、説明・謝罪なし

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15167321.html?_req

ハラスメント対応、募る不信感 教授「俺の女に」、懲戒処分なく

☝️某医療系大学のキャンパス

 これらの記事では、九州にある医療系の大学(九州保健福祉大学、延岡市)を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こしている宮崎県の女性と、東京都内の私立大学の大学院生のとき教授によるセクハラにより中退させられ、やはり損害賠償請求訴訟を起こしている女性が取り上げられている。

最初の事件は以下にも詳しいが、

https://mainichi.jp/articles/20211014/ddl/k45/040/277000c

https://mainichi.jp/articles/20211029/ddl/k45/040/221000c

http://university.main.jp/blog/

(以下引用)

 指導教授からセクハラを受け始めたのは、母校の大学院に入学した6年前である。入学から半年後辺りから、タクシーの中で手や足を触られたり、忘年会の二次会で体を触られるようになり無理やりキスされた。そのため、精神的に不安定になり、心療内科を受診。うつ病と診断される。

 しかし大学にはハラスメント相談窓口が無く、ホームページ掲載の、兼務で相談に乗る教員に相談したところ、調査委員会への申し立てが必要と言われた。その後躊躇していると、その教授が、女性とのことは男女間のもつれだったと大学に説明したことを耳にする。怒りがこみ上げ、(2017年8月)調査委員会に訴えたが、3か月たっても大学からは何の説明もなかった。不安が募り弁護士を通じて尋ねると、やっと調査委員会の開催された日時、報告書がまとまったこと、処分については検討中、処分になったら通知する、という内容の書面が示された。調査委員会は、教授のセクハラを認め、懲罰委員会は教授を停職1か月の懲戒処分とした(2018年1月。女性がこのことを知らされたのはさらに3週間後)。

 大学からはこれまで謝罪の言葉はなく、相談後も、申し立てるまでは対応してくれなかったことに納得できず、2018年3月訴訟に踏み切る。2021年10月に出た宮崎地裁延岡支部の判決は、教授の行為をセクハラと認め、教授と大学に慰謝料など132万円の支払いを命じた。一方で、大学が適切な事後対応を取らなかったという点については認めなかった。女性と大学はともに控訴している。

 これに関連して、大学側の更に許せない点は、その教授の懲戒処分直前(2017年12月)に、この女性とパートナーを含む4人にいきなり雇止めを通告してきたことである(2018年1月5日)。表向きの理由は博士号が無いこと等としているが、セクハラ告発に対する報復以外の何ものでもないことは明らかである。懲戒処分を受けた教授は在籍したままであるのに。この雇止めに対する地位保全の請求に関し、2019年2月に同延岡支部は雇止め無効の仮処分を下している。これに対し大学側は、仮処分決定に応じない上、更に裁判で争う姿勢である。ちなみに、2020年6月に九州保険福祉大学運営の学校法人の理事長に就任したのは、加計勇樹氏という人物で、名前からもわかるとおり、岡山で岡山理科大学を経営し、安倍の後ろ盾で強引に香川県に獣医大学を作った加計一族の一員である。岡山、香川と同様に、地域で存在感のあることを良いことにやりたい放題である。まさに一族の醜い体質が現れていて、今後の裁判闘争にも注目し、厳しい眼を向けていかねばならない。現在、大学のHPにはキャンパスハラスメントへの注意喚起が呼びかけられているが、

九州保健福祉大学HPにあるハラスメントへの取り組みページ

まずはこの問題に関し、関連被害者らの復職・未払い賃金の支払いと加害教授の解雇を進め、公的予算の支援を受けている延岡地域・宮崎県の住民に説明責任を果たすべきであろう。加害教員も大学の強硬姿勢に隠れて逃げ切りを謀るべきでなく、即刻辞任すべきである。被害職員や心ある学生や地域の人々は決して忘れない。

https://digital.asahi.com/articles/ASM346JXHM34TNAB00S.html?iref=pc_ss_date_article

(2019/3/6) 雇止め無効の仮処分、元助教ら会見「大学に憤り」

https://digital.asahi.com/articles/ASM345R22M34TNAB00K.html?iref=pc_ss_date_article

(2019/3/6) 助教夫妻、同時に無職に 第2子出産…大学と争った1年

https://digital.asahi.com/articles/ASM4K42R7M4KTNAB00B.html?iref=pc_ss_date_article (2019/4/17) 雇い止めで大学を提訴 セクハラ告発の元助手ら4人

https://digital.asahi.com/articles/ASMDR31PHMDRTNAB003.html?iref=pc_ss_date_article (2019/12/28) 九保大雇止め訴訟 仮処分1年、まだ復職出来ず

https://digital.asahi.com/articles/ASN105HZ0N10TNAB00H.html?iref=pc_ss_date_article

(2020/2/1) 大学側の異議申し立て認めず 雇止めで地裁支部

(以下引用)

 2番目の事件では、被害者の女性は大学院生の時指導する男性教授方セクハラを受けた(「俺の女にしてやる」など暴言)。コース主任の教授に相談したら、「あまり外では言わない方がいいよ」と言われ(その結果)、女性は教授への恐怖や大学への不信感からほとんどの授業に行けなくなり、中退した。

 中退後の2018年4月、意を決して大学のハラスメント防止室に相談。だが、中退者の申立は受けない場合もあると伝えられ、家族と一緒に書面で大学の総長に直訴した。大学側は申し立てから1か月後に教授の調査報告書をまとめ、「俺の女、、、」発言などはセクハラに当たると認定し、教授を解任した(退職金は出る!)。主任については「隠蔽の事実は認められないが、誤解を招く発言があった」として訓戒処分とした。

 だが、女性と教授・主任の言い分の食い違う部分は認められなかった。なぜ懲戒処分ではないのか?主任は(ハラスメントを)隠蔽しようとしたのでは?これらについて納得がいかず、調査委員会のメンバー構成を尋ねたが、「外部の弁護士も加えたとは伝えられたが詳しい構成は教えてもらえず。再調査を求めても認められなかったため、2019年6月、女性は元教授と大学を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こした。現在は、係争中を理由に、元教授も大学もダンマリを決め込んでいる。この訴訟の行方も是非注目していきたい。

 この事件については改めて詳しく扱うが、なぜこういうことが今頻発しているのか。この点に関し記事の最後では、全国のほとんどの大学でハラスメント対策が実施されていて(ハラスメントの定義が成文化され、防止についての呼びかけ、研修などを行う)相談窓口も設置されているのに、それらが実質的に機能していないことを挙げている。本ブログでも、開設当初からその問題点は一貫して指摘続けてきた。この問題を克服するためには、現状では、当事者には多大な精神的・経済的負担になるが、司法の場に持ち込むしかないかも知れない。まさに、次の記事がその典型であるが。

大学生へのハラスメント 文科省、学内の第三者相談体制巡り初の調査 – 毎日新聞

甲南大学事件に関連して5月に行った、国会参議院文教委員会での立憲国会議員と文部科学大臣・局長との間で行われた質疑

【『甲南大学のハラスメント・2018被害者学生自死事件』を2021年国会の場で問う】

に関し、毎日新聞に新しい記事が掲載されましたので紹介します(2021年9月8日):

毎日新聞記事

地方(国立)大学はどこを向いているのか?(誰が監視しているのか?)

暫く前の案件であるが、やはり地方の国立大学で信じられないような重大なハラスメント事件が起きていた。管理者は殆ど知らなかったが、今回その詳細を知るに至り、見逃せない事件と考えられたので、関連情報をここに提供する:

国立大にパワハラを捏造され、解雇通告を受けた教授の告白

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/51266?imp=0

宮崎大学珍事件

https://jun-jun1965.hatenablog.com/entry/20170409

また関連した記事として

同志社大学の名物教授が「突然の退職」を通告されるまで

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/51247

事件はいまだ完全に解決しているとは言えないらしいが、それも関係者(特に最初の大学)のやる気のなさと怠慢が放置に繋がった結果であろう(他の国立大学でもよくある話であるが)。

一般に日本の多くの地方(国立)大学は、その地方、もしくは近隣自治体ではある程度その動向が注目されるが、全国レベルでそのスキャンダル・関連事件などが報道されることは殆ど無い。それどころか、各地方、或いは都道府県での地方紙や放送局に大学自らが裏から手を回し、「不祥事」の情報自体の報道・拡散を潰してしまうこともしばしばである。

こういう地方の特殊性を隠れ蓑にした、本来公開されるべき地方大学の情報の意図的な隠蔽は、特に税金で運営されている国公立大学では許されないものである。残念なことではあるが、地方の住民一人一人にも、もっと大学などの動向に関心を持ち、地方のマスコミを突き上げるなどして大学を監視していくことが求められているのではないだろうか?

教職員間での(同僚に対する)ハラスメントがこの酷さであるから学生・大学院生がおかれているアカデミックハラスメントの状況はさぞ救いようのないものではと想像・危惧される。

 

伊藤詩織さんの事件に関連して留意すべきこと二つ

前記事で、伊藤詩織さんが米国「TIME」誌の2020年版「世界で最も影響力のある人100人」に選ばれたことに触れた。伊藤詩織さんに関するネットやマスコミ上の記事や言説はフェイクや中傷も含め枚挙に暇がないが、現在今一度再確認したいことは次の2つである。詳細な全体像はデイリー新潮の一連の記事(44件)

https://www.dailyshincho.jp/search/?kw=伊藤詩織さん&disp_page=1&sid=ergc7tnolmlq0gjqclk5u7t7h5

に詳しいのでそちらに譲り、肝心な部分のみ下記に抜粋してまとめる。

1.本事件はもとTBSワシントン支局長山口による卑劣な性犯罪=性暴力事件である!

事件の簡単な経過を上記デイリー新潮の記事の引用で見てみよう:

(https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12250800/?all=1)

(https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12260800/?all=1&page=2)

「2015年4月3日、TBSのワシントン支局長だった山口記者が一時帰国した折、ニューヨークで知り合い、TBSに働き口を求めていた詩織さんと会食した。山口記者のホームグラウンドである東京・恵比寿で2軒目までハシゴしたところから意識を失った彼女は、その後タクシーに乗せられた。タクシーはシェラトン都ホテルへ。山口記者の部屋に連れ込まれ、翌日未明、性行為の最中に目が覚めた」

「4月30日に警視庁高輪署が詩織さんからの刑事告訴状を受理。捜査を進めた結果、裁判所から準強姦(当時)容疑で逮捕状が発布された。6月8日、アメリカから日本に帰国するタイミングで山口記者を逮捕すべく署員らは成田空港でスタンバイした。しかし、その直前に逮捕は中止。捜査員は目の前を行く山口記者をただ見つめることしかできなかった。中止の命令は、当時の警視庁刑事部長で現・警察庁ナンバー3、官房長の中村格(いたる)氏によるもので、彼自身、「(逮捕は必要ないと)私が決裁した」と本誌(週刊新潮)の取材で認めている」

「(中村格=)官邸絡みのトラブルシューター・守護神・番犬たる部長。その命を受け、捜査の仕切り直しを担った警視庁本部からの書類送検を受けた東京地検は、ほぼ1年後の16年7月に不起訴と判断。詩織さんは17年5月、検察審査会に審査申し立てを行なったものの、9月に「不起訴相当」の議決が出ている」

「勝訴判決の前、詩織さんは週刊新潮の取材に応じてくれた。まずは、17年5月の実名による告発会見から振り返って、

『あの時は、自分の生活がこれからどうなってしまうのか全く想像ができないままその場に臨みました。時間が経過し、今は自分の生活や仕事も少しずつ取り戻しながらも、この事件に向き合えていることは私にとって大きなことで、周囲の支援してくださる方に感謝しています。この民事訴訟を通じ、私が求めていたのは裁判の判決自体ではなく、それまでの刑事事件の手続きでは分からなかった部分を明らかにすることでした。ホテルのドアマンの方がお話ししてくださるようになったのも、訴訟を提起したからだと思っています』

 法廷で、山口記者が事件後に詩織さんに宛てたメールと陳述書の中身に齟齬があることなどが明らかになったのも、訴訟を提起した成果と言える。

『裁判で色々な証言や主張が公になり、そうしたことからも、訴訟はとても有意義なものでした。またこの間の様々な出会いから、事件のトラウマにどう向き合えばいいのかヒントを貰うこともできました。性犯罪に関する刑法の規定はまだまだ改善の余地があり、見直しは必要だと思っています。他にも被害者のサポートなど変えなければいけない部分はかなりあるはずです。でも、2年前と比べると、こうした議論が活発になってきたのは本当に良かったことだと思いますし、あの頃に見ていた景色とは確実に変わってきている部分もあるなと感じています』」

「去る(2019年)12月18日の10時30分、東京地裁709号法廷。時の宰相とそれにかしずく官邸官僚トップを巻き込んだ裁判に審判が下った」「12月18日に東京地裁が下した判決は、山口記者は詩織さんに対し、330万円の金員を支払えというもの。詩織さんの全面的な勝訴であるが、会見で山口記者は控訴の意向を示している。だから、2020年以降に両者は、東京高裁で更なるお上の裁きを待つことになる」

他の諸記事も合わせて読むと、山口の行きつけの店に2件付き合わされた伊藤さんは、ホテルに向かったタクシーの中で吐いたり殆ど歩けなかったようなかなり酷い状態であった(逮捕状請求に向け警視庁で捜査が進んでいた際、ホテルのドアマンが証言した「幻の陳述書」に詳しい。現在進行中の控訴審で重要な役割を果たすと予想されている)。これに関して伊藤さんは、飲んでいる際にデートレイプドラッグを使われたという強い疑いを持っている。また、事件後伊藤さんに宛てたメールの中で、山口は、レイプに際して避妊具を使わなかったことを認めた上で「自分の精液は薄いから妊娠の心配はない」などど嘯いている。これは正しく卑劣な性犯罪以外の何物でもないだろう!

写真はたまたま本事件の現場となったホテル。風評被害補償は山口氏に請求されるべきであるが、誠実なベテランドアマンの証言が近いうちにホテルの評判を取り戻すことに貢献するであろう。

2.準強姦容疑による山口逮捕もみ消しは菅総理(当時官房長官)側近=中村格官房長(警察官僚出身)により行われ、中村は次期警察庁長官への昇格が濃厚!

上に引用したように、中村氏の意図的な介入は彼自身が認めている:(再引用)

「4月30日に警視庁高輪署が詩織さんからの刑事告訴状を受理。捜査を進めた結果、裁判所から準強姦(当時)容疑で逮捕状が発布された。6月8日、アメリカから日本に帰国するタイミングで山口記者を逮捕すべく署員らは成田空港でスタンバイした。しかし、その直前に逮捕は中止。捜査員は目の前を行く山口記者をただ見つめることしかできなかった。中止の命令は、当時の警視庁刑事部長で現・警察庁ナンバー3、官房長の中村格(いたる)氏によるもので、彼自身、「(逮捕は必要ないと)私が決裁した」と本誌(週刊新潮)の取材で認めている」

この中村格は事件当時、警察官僚の交代劇が進みつつある中で、次のような位置(No. 3)にあり、現在は次期警察庁長官への昇格が噂されている。自ら「警察いらん!」を地で行くようなこういう人物が警察のトップになることは、black jokeであるのみならず、まさしく警察の権威そのものの大失墜であろう。以下引用(https://www.dailyshincho.jp/article/2020/01120600/)

「2019年12月26日の「首相動静」欄に、こんな文言が掲載された。

『警察庁の栗生俊一長官、松本光弘次長、北村博文交通局長、大石吉彦警備局長、警視庁の三浦正充警視総監、斉藤実副総監と会食』

『首相が警察幹部を労った、いわゆる“お疲れ様会”ですね。すでに官邸には、新しい長官と総監の人事が伝えられています』

 順当に行けば、1月のどこかの閣議で人事が了承されることになる。

 具体的には、栗生俊一長官が退任し、その後に松本光弘次長が、三浦正充警視総監が退任し、斉藤実警視庁副総監が、それぞれ新たに就任する。両者の人事は同時ではなく少しずれる可能性はある。そして、この会食の場にはいなかったあの中村格官房長が警察庁ナンバー2である次長の席に就任予定なのだが、そこに触れる前に、長官人事について説明しておこう。

 栗生氏は2018年1月に就任し、任期は2年ということになる。就任前にはパチンコ業者からの付け届けを示唆する怪文書が出回ったこともあった。2017年12月19日配信記事「警察庁幹部がパチンコ業者から付け届け!?“告発”の裏で繰り広げられる人事の暗闘」では名を伏せて報じられているが、このときターゲットになったのが、長官就任前の栗生氏だった。

「栗生さんは最終的には官房副長官のポストに就きたいと思っている。このポストは長らく内閣情報官を務め、国家安全保障局長に就いた北村滋さんも関心を示している。栗生さんは昭和56年入庁で、北村さんは55年入庁。1年違いの二人は犬猿の仲なんですよ」(同)

 その栗生氏の跡を襲う松本氏は、警察庁外事情報部長時代には『グローバル・ジハード』(講談社)という書籍を上梓し、その後、警備局長→官房長→次長と順調に出世すごろくのマスを進んできた。もっとも、さる警察庁関係者によると、

「警察庁出身で官邸を仕切る杉田さん(和博官房副長官)が『松本長官』には難色を示してきました。ウマが合わないと言ってしまえばそれまでですが、杉田さん好みの報告の仕方があって、松本さんはそれに馴染まなかったことが確かにありましたね。ただ、仮に松本さんが退任、あるいは総監に就いた場合、栗生さんが3年目に突入することになる。“いつまでやるんだ!!”って声はかなり聞こえてきていました。オリパラ警備で何かあったら最低でも長官・総監のどちらかは詰め腹を切らされますから、なかなかつらい役回りとも言えますね」

「中村氏は菅義偉官房長官の秘書官を長らく務め、その絶大な信頼を得てきた。山口氏逮(その官邸ベッタリぶりもデイリー新潮の記事に詳しい)の中止命令をする一方、安倍首相元秘書の子息による単なるゲームセンターでのケンカに捜査一課を投入し、相手を逮捕するという離れ業もやってのけたのは「週刊新潮」が報じた通り。官邸絡みのトラブルシューター・守護神・番犬たる部長が、いよいよ警察庁長官の座に手をかけたということになる

 準強姦逮捕状の握り潰しが露見した当時、国会議員だった元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、その頃から捜査の大きな問題点を指摘していた。

『この事件では、そもそも逮捕状が出ていたのに、当時の刑事部長が途中で捜査を止めてしまうというまったく異例の判断がされました。そのことが起点となり、法治国家としてはあるまじきその後の流れができてしまったのだと考えています。というのも、刑事事件の捜査においては、強制捜査の有無が証拠の集まり方を左右することになるからです。被疑者が逮捕されていないのに、被疑者と親しかったり、利害関係を有している関係者が、捜査に積極的に協力することは、はっきり言ってあまりありません。やはり被疑者を逮捕してはじめて、関係者たちはことの重大さに気づき、捜査にきちんと協力するようになるものなのです』(週刊新潮19年12月26日号に寄せたコメント)」

最後に指摘しておきたいのは、この事件、裁判の進展に関する日本のマスコミの報道の仕方とネット世論の動向である。マスコミは最初から被害者による「稀な」告発としてその正当性を正面から報道しようとせず、「売名行為だ」というネット世論盛り上げに大きく貢献した。そこから端を発したネット民(特に安倍政権支持者)は、日本の#MeToo運動は政化したことにより、進化・発展しなかった」と主張するに至っている。果たして事件を政治化したのはどちらの側なのか?そして、真実を述べているのはどちらなのかを、日本の世論より遥かに早く判断し報道して来たのが、世界のマスコミ・世論であろう

LGBT差別にまつわるハラスメント その後(2)

最近の新たな動き

  • パワハラ防止義務付け関連法が可決(2019年5月)

【概要】

 職場でのパワハラ防止を(企業に)義務付ける関連法が昨年5月29日、参院本会議で可決成立した。併せて、今後策定されるパワハラ対策指針にSOGIハラ(注1)およびアウティングの防止も盛り込まれることになった。パワハラ防止対策の一環として各企業に義務付けられる(取り組みが求められる)。

 パワハラ関連法は、働きやすい職場環境を整え、社員の退職や意欲低下などを防ぐのが狙いで、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、女性活躍推進法、育児・介護休業法など計5本の法律を改正するものである。パワハラを「職場において行われる優越的な関係を背景にした言動」などと定義し(具体的にどのような行為がパワハラに当たるのかについては、厚生労働省策定の指針(注2)による)、企業に相談窓口の設置や発生後の再発防止策を求め、社員がパワハラをした場合の処分内容を就業規則に盛り込むほか、相談者のプライバシー保護の徹底も求める。

 罰則規定は見送られたが、パワハラが常態化しており勧告しても改善が見られない場合には企業名を公表する。大企業は2020年4月、中小企業は2022年4月に対応が義務付けられる。

【LGBT法連合会】

https://www.outjapan.co.jp/lgbtcolumn_news/news/2019/5/16.html

同連合会は、「大きな前進として評価できる」との声明を発表した(以下要約)。

 「衆議院、参議院の議論では、与野党各会派から、SOGIハラやアウティング対策を進めるべきであるとの意見が出された。この内容を盛り込んだ付帯決議が与野党全員賛成の全会一致という形で、国会の決議に実を結んだことは大きな一歩である。LGBT法連合会としても、求める施策の重要な一つであるハラスメント対策の実現に向け、この間精力的な働きかけを行ったが、日本全国の事業主に対する義務付けの方向で結実したことについて、関係各位の尽力を讃え、喜びを分かち合いたい。他方、具体的な対策の内容については、今後、厚生労働省の審議会の議論に委ねられることとなり、注視していく必要がある。特に、就職活動中の学生や、インターンシップ生、実習生等に対して、どのような対策が行われるかが注目されるものである」また、以下の点についても言及している。
 「LGBT法連合会は、1日も早いSOGIハラやアウティングの根絶に向け、今後も働きかけを強めていく。また、今回のハラスメント対策の対象とならない、労働以外の分野におけるハラスメントや、差別的な職場異動や退職勧奨、解雇などの、いわゆる差別的取扱いへの対策に向けて、領域を問わない差別禁止法の制定を引き続き求めていく」
また、次のようなコメントも付与されています。
 『なお、国がどのようなことをSOGIハラであると定めるかは、今後の指針の策定を待たなくてはいけませんが、現時点でSOGIハラが一般的に(LGBTコミュニティにおいて)どのようなことを指すとされているのか知りたいという方は、「なくそう!SOGIハラ」のサイトをご覧ください。また、7月12日発売の『はじめよう!SOGIハラのない学校・職場づくり』は、たくさんの事例を交えながら解説した決定版・保存版的な一冊になっています。ぜひお手元に置いておくことをお勧めいたします』

(注1)SOGI:SOGIは、Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の英語の頭文字をとった頭字語(イニシャル言葉)です。読み方は「ソジ」が一般的ですが、「ソギ」とも言うようです。
 LGBTという言い方では、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルは性的指向についてのマイノリティ、トランスジェンダーは性自認についてのマイノリティであるということが伝わらず、「ゲイの人は心は女性で、女性になりたがっている」などという誤解を招くこともある(性的指向と性自認がごっちゃになりがちである)ため、「性的指向および性自認」という概念(性の要素、尺度)を表す言葉として生み出されました。
 また、性的指向および性自認は、セクシュアルマイノリティに限らずすべての人に関わる(ヘテロセクシュアルもシスジェンダーも含む)概念であることから、「LGBTの問題であってストレートには関係ない話」ではなく、誰にでも関係があることなんですよ、と言いやすくなります。「SOGIについて考えてみると、異性愛は多様な性的指向の一つにすぎず、シスジェンダーも多様な性自認のありようの一つであることがわかる」というように。
2011年頃から国際社会で使われるようになり、日本でも2015年頃から紹介されはじめました。2017年のレインボー国会では、SOGIに関連する差別やいじめ、いやがらせ、ハラスメントを指す「SOGIハラ」という言葉が提唱されました。なお、SOGIは、LGBTに代わる新しいセクシュアルマイノリティの総称ではありませんので、「SOGIの人」といった言い方は誤りです。「SOGIに関するマイノリティ」とか「SOGIに関する差別の解消」「SOGIハラ」という使い方になります。ちなみに、LGBTが現在、LGBTQとかLGBTQ+といった言い方になってきているように、SOGIについても、SOGIEという言い方に変わってきています。EはGender Expression(性表現)のEです。

SOGIハラ:性的指向・性自認(SOGI)に関するハラスメントのことを「SOGIハラ」と言います。
 2017年3月9日に衆議院第一議員会館で開催された、LGBTへの差別をなくし、世間の人たちに理解を深めていただき、より公正で平等な社会をつくるための法制定を国会議員に求める「レインボー国会」という院内集会で初めて「SOGIハラ」という言葉が提唱されました。

 2019年、職場でのパワーハラスメント(パワハラ)防止を義務付ける関連法が成立したことに伴い、厚労省が「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(以下「指針」)を策定し、SOGIは個人情報やプライバシーであると明記され、SOGIハラならびにアウティングもパワハラであると見なされることになりました。
 これにより、すべての企業等や自治体がSOGIハラ・アウティング防止施策の実施を義務付けられることとなりました。これは「措置義務」であり、もし対策を怠った場合、都道府県労働局による助言・指導・勧告等が行われることになります。

 指針にパワハラ防止施策として定められた措置義務の内容は、以下の通りです。これらの措置がすべてSOGIハラおよびアウティングにも適用されることとなりました
(1) パワハラがあってはならない旨や懲戒規定を定め、周知・啓発すること
(2) 相談窓口を設置し周知するとともに、適切に相談対応できる体制を整備すること
(3) パワハラの相談申し出に対する事実関係の確認、被害者への配慮措置の適正実施、行為者への措置の適正実施、再発防止措置をそれぞれ講じること
(4) 相談者・行為者等のプライバシー保護措置とその周知、相談による不利益取り扱い禁止を定め周知・啓発すること

 各企業等や自治体は、2020年6月以降(中小企業等は2022年4月以降)の措置の実施が義務づけられています。また、いわゆるカスタマーハラスメントや、就活生・インターンシップ生・フリーランス等へのハラスメントについても、上記の(1)〜(4)の取組みを行うことが望ましいとされましたが、これらにもSOGIハラ・アウティングの防止が含まれることとなります。なお、法の履行確保のため、都道府県労働局による助言・指導・勧告等の規定も整備されました。

 指針で示されたSOGIハラの例として、以下のようなことが挙げられます。
・相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を行うことを含め、人格を否定するような言動を行うこと。
・SOGIを理由に、労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりすることや、一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること(SOGIを理由にした仕事からの排除はパワハラに該当すると国会で答弁されています)
・「彼氏(彼女)はいるの?」など交際相手について執拗に問うこと(厚労省はパートナー関係のようなプライベートに関するハラスメントを「個の侵害」に当たるパワハラとして周知してきました。パートナーが同性である場合、より深刻であると言えます。

 指針を踏まえると、「オカマ」「ホモ」「レズ」などの差別用語はもちろん、「ひょっとしてこっち系?」などと手の甲を反対側の頬に当てる仕草や、職場でのLGBTQに対する中傷やいじめ(陰口)全般がSOGIハラに含まれますし、中性的な人を営業職や店頭での仕事から外すなどの排除なども該当します。

 

(注2)厚生労働省作成の指針:以下に資料pdfを貼り付けておきます。

厚生労働省 指針

いずれもOUT JAPAN Co. Ltd. https://www.outjapan.co.jpのLGBTコラム等より。

2)LGBTQ当事者を支援する「プライドフォーラム」が一橋大でスタート(2019年8月)

https://www.huffingtonpost.co.jp/entry/hitotsubashidai-pride-bridge_jp_5d4bcc93e4b01e44e4753536

https://www.outjapan.co.jp/lgbtcolumn_news/news/2019/8/9.html

 これらの記事によれば、一橋大アウティング事件をきっかけに、LGBTQ当事者支援をめざすプログラム「プライドフォーラム」が同大でスタートしたという。プログラムを立ち上げた任意団体「プライドブリッジ」が2019年8月8日に発表。

 「プライドフォーラム」は、一橋大学がジェンダー社会科学研究センター(CGraSS)とプライドブリッジが共同事業として立ち上げた。具体的な活動内容としては、大学内にLGBTQ当事者や支援者(アライ)が立ち寄ったり、っジェンダーやセクシュアリティに関する情報を得たりすることができるリソースセンターを設けるほか、性の多様性を学ぶための寄付講座を開始する、ということである。

 キーパーソン(の一人)である松中権さん(注3)によると、団体設立の経緯は次のようであったと言う。

安心・安全な場所をつくる

 「二度と同じような悲しい出来事が一橋大学で起こらないようにしたい」そう思った松中さんは、一橋大学のキャンパスをLGBTQの学生や教職員にとって安心・安全な場所に変えるために、プライドブリッジを立ち上げることを決意。同大学の在校生・卒業生に呼びかけて、賛同者を募った。現在までに129名が賛同しており、今回の立ち上げにつながった。プライドフォーラムの最初のアクションとして9月に学内に作られるリソースセンターでは、ジェンダーやセクシュアリティに関する資料を準備し、集まってきた人が資料を読んだり交流したりするほか、小規模イベントなども開催する予定だ。

 松中さんは一橋大学ではカミングアウトしていなかったが、大学在学中に留学したメルボルン大学で、LGBTQの当事者が集まるための部屋を見つけ、そこでカミングアウトすることができた。その時に「こういう場所があったらいいな」と思ったという。

 また、同じく9月にスタートする「ジェンダー・セクシュアリティとライフデザイン」という全13回の寄付講座では、LGBTQの当事者や支援者などをゲストスピーカーとして呼び、企業やNPOなどによるジェンダーやセクシュアリティの先進的な取り組みなどを学ぶ。それ以外にも、LGBTQフレンドリーな教育環境整備のための実態調査や、学生と教職員の定期的な意見交換会などの開催も予定しているという。

 ハフポスト日本版への寄稿の中で、LGBTQの当事者にとって「安心」した場所をつくることと同時に、何かがあった時に頼れる、何かを事前に食い止められる「安全」な場所があることも大切だと訴えた松中さん。9月からスタートするプライドフォーラムで、「LGBTQの学生や、働く人がいて当たり前だということが共有できる流れができてほしい」と語った。

(注3)ブライドブリッジ会長で、同大学の卒業生。ハフポスト日本版への寄稿で、一橋大学アウティング事件に大きなショックを受けた、と綴った。現在はゲイを公表し、学校の中にLGBTQの人たちをサポートするNPO法人「グッド・エイジング・エールズ」などの代表を務めるが、大学在学中にはカミングアウトしていなかった。松中さんは「私が大学生の時は、カミングアウトは選択肢に入っていませんでした。学校の中に相談できる場所があったら良かったと思いました」と語っている。

(注4)プライド(PRIDE):
 世界中で開催されているLGBTのパレードはしばしば「プライド」と呼ばれます。ニューヨークのパレードであればニューヨーク・プライド、サンフランシスコのパレードであればサンフランシスコ・プライドといった具合に。LGBTのパレードは(優勝祝賀パレードでもエレクトリカルパレードでもなく)LGBTの「プライド」を示すパレードだからです。

 では、LGBTの「プライド」とはいったいどのようなものでしょうか? 日本語でプライドというと「プライドが高い」「プライドが傷つけられた」というように、ネガティブな意味合いをイメージする方も多いと思います。「沽券」に近いニュアンスです。欧米で言うところの本来の「プライド」は「誇り」であり、自らを恥じない、堂々と自信を持っているという意味です。Appleのティム・クックCEOがカムアウトした際に「私はゲイであることを誇りに思っている(I’m proud to be gay)」と述べたように、pride, proudは肯定的な(とてもgoodな)意味で用いられます。
 アメリカでは過去に、赤狩りの急先鋒を務めたロイ・コーン検事(当時)やFBI初代長官のJ・E・フーバーらが有名ですが、クローゼット・ゲイの公人が保身のために(自身がゲイだとバレないように)率先してゲイを脅したり、破滅させたりしてきたという黒い歴史があります。今やそうした卑劣さこそ恥ずべきことと見なされています。自分がセクシュアルマイノリティであることを恥じることなく受け容れ、堂々とカミングアウトしよう、胸を張って生きていこうとする心意気が「プライド」です(OUTも同様の意味で使われています。OUT JAPANの社名の由来です)。

【附録】

この間、コロナで多忙で(言い訳)投稿が途絶えてしまい申し訳ありませんでした。ただ、最近ずいぶん元気が出ることが続いたので、幾つかコメントしたいと思います(A)。

*1 少し旧聞に属しますが、皆様もご存じの通りNEWS WEEKの今年の100人に大阪ナオミさん,伊藤詩織さんが選ばれました!特に伊藤詩織さんに関しては、恥ずべき国内世論を乗り越え、#Metoo運動の日本の先駆者=世界標準として認められました。

*2   Congratulations 大阪都構想廃案。

*3 Congratulations @JoeBiden and @KamaraHarris.

*4 今回のアメリカ大統領選挙と並行して進められた議会議員選挙で多くのLGBTQメンバーが立候補し、当選しました。

特に*3,4はまた記事として投稿する予定です。