早稲田大学セクシャルハラスメント (1)

早稲田大学の渡部直己教授66歳が教え子の女子学生にセクハラ行為を繰り返したとして大学に解雇される(2018/07/27)。

2017年4月、女子学生は指導教員だった渡部教授から「指導」の名目で呼ばれ、大学近くの飲食店で二人きりで食事をし、その席で「俺の女にしてやる」などと言われたほか、学内で日常的に頭や肩を触られていたと報道されています。

セクハラ内容は?

〈1〉本人や周囲の学生が気づくほど、足元を見つめる

〈2〉外見について『かわいい』と告げる

〈3〉頻繁に2人きりで食事に行き、自分が箸をつけた料理を食べさせる。食べているものを取る

〈4〉指で肩や背中を押す、頭を触るなどの接触行為

〈5〉私用の買い物を頼む

〈6〉『卒業したら女として扱ってやる』、『俺の女にしてやる』と発言

〈7〉ほかの学生がいる教室で授業中に雨でぬれた服を着替えるよう指示し、本人に『裸だったらどうしようか』と告げる

〈8〉ほかの学生に対するセクハラ行為や業務上知り得た個人情報をほかの学生の前で発言

スポーツ報知より抜粋

被害女性はこの事を、別の教授にセクハラ被害を相談したが口止めされていました。

大学は今年の6月、被害女性からの申し立てをうけて調査委員会を設置して調べた結果、これらの行為はセクハラにあたると認定しました。

渡部氏は、「教育熱と恋愛感情をときどき間違えてしまう。相手の気持ちを考えられなかったことは、教育者として万死に値する。本当に申し訳ない」と話していた。

渡辺教授は退職願いを出していたが調査中のため受理されず、7月27日早稲田大学は「本学教員としての適格性を欠いており、改善は期待できない」と解雇処分とした。「深刻なハラスメント行為が発生したことは誠に遺憾でありご迷惑をおかけした女性には深くおわび申し上げます」というコメントを発表。女性は別の教員に被害を相談した際に2次被害があったと訴えており、更に調査が続いているようです。

留学生へのアカデミックハラスメント (2)

神戸大学の例(2012年8月)

退学促すメール後に自殺、神戸大教授懲戒

 神戸大は20日、中国籍の男性留学生(20歳代)の退学を促すメールを留学生の親類に送信する等、不適切な指導を行ったとして、大学院海事科学研究科の男性教授(60歳代)を停職14日の懲戒処分とした.留学生はメールが送られた1週間後に自殺.大学側は「自殺との直接の因果関係は認められないが、メールが原因の一つとなった可能性はある」としている.

 発表では、教授は2010年10月から留学生を指導していたが、日本語能力等の適性を欠いているとして、昨年11月29日、留学生を推薦した同科修了生でいとこの男性(30歳代)に、退学させるよう促すメールを送り、推薦したことへの謝罪も求めた.教授から事前にメール送信を告知された留学生は、「送らないで欲しい」と頼んでおり、同日教授からメールの送信画面を見せられるとショックを受けた様子だったという.その後、留学生は研究室に姿を見せなくなり、昨年12月6日、神戸市東灘区の雑居ビルから飛び降り自殺した.自宅のパソコンに教授宛ての遺書とみられる文書が残され、研究環境への不満等が書かれていた.

(本事例は、アカデミックハラスメントをなくすネットワーク http://www.naah.jpからの情報提供を受けています)

 学内調査の詳細は発表されていないようであるが、いかにも軽い処分と言う気がします。皆様の感想はいかがでしょうか?

留学生へのアカデミックハラスメント (1)

岐阜大学の例〔2009年12月〕

 余り知られていないが、日本の多くの大学や大学院には、かなりの数の留学生が在籍している。その態様は様々であるが、地方の私大で定員を埋めるために多くのアジア系留学生を通常の入試を経ない方法で受け入れたり、理系国立大学の大学院では、特に日本人学生が避ける博士課程に、しばしば日本政府からの援助を得て入学し、研究を担う戦力の一端となっている場合も多い。

 これまでは余り多くの報告は無いが、言葉の問題に絡むコミュニケーション不足や留学を巡る思惑の相違などにより、多くのハラスメントが発生しているのではと危惧される。以下に幾つかの例を挙げ、今後を考える手がかりとしたい。

 岐阜大学大学院に在学中に指導教官からアカデミックハラスメントを受けたとして、元留学生の中国人女性(30)が同大と男性講師に慰謝料など928万円を求めた訴訟の判決が岐阜地裁であった。

 内田計一裁判長は女性の訴えを一部認め、同大と男性講師に計110万円を支払うよう命じた。訴えによると、女性は04-07年、同大大学院地域科学科の修士課程に在学していたが、担当教官だった当時40代の男性講師から執拗に休学するように求められ、これを拒否すると修士論文が不合格となり、卒業が1年遅れた。女性は大学側に担当教員の変更を求めたが、大学側は「必要ない」として適切な措置を取らなかったため、07年に訴訟に踏み切った。

 内田裁判長は判決で、講師は学力不足を理由に女性に執拗に休学を迫り「聞かなければ退学も自由にできるとは限らない」と女性を不安に陥らせた上、「社会のクズ」などと暴言を吐いたことは、「社会的通念に欠ける不法行為」と認めた。一方で、修士論文が不合格になったこととの因果関係は認められないとした。

(本事例は「アカデミックハラスメントをなくすネットワーク(NAAH) http://www.naah.jp」から情報提供を受けています)