質問書に文科省から回答! 甲南大学事件(本ブログでこの間の経緯を紹介中)

2021年11月10日に、末松信介文部科学省大臣宛に、甲南大学ハラスメント抗議自死学生の母として代理人から質問書を送付し同年1130日までに回答を求めたところ、文部科学省省(高等教育局 学生・留学生課 厚生係)から回答がありました。以下に質問書の抜粋と回答書を公開します。赤線は、ご家族によるもので、回答の重要と思われるところです:

(文部科学省HPより)

 

質問書(抜粋)

質 問 書

末松信介文部科学大臣 殿

(所管 高等教育局)

前略 私は、神戸市東灘区にある私立甲南大学(学校法人甲南学園が設置)に通学していた*****君の******の*******です。以下の点をについて、ご質問しますので、令和3年11月30日までにご回答下さい。

次の点をふまえ、質問をします。

【事件の概要】

 自らの大学に所属する学生が、大学公認の活動がきっかけとなり、また、その後大学による適切な相談支援がなされない中で抗議の自死をしたにも関わらず、

 甲南大学では、大学に学籍があった当該学生の死に際して、一般社会の常識からかけ離れた対応がまかり通っています。その後、**君に自死の原因となる対応を行った当事者である中井伊都子氏が大学の象徴的存在である学長に就任し、公には「甲南大学は、みなさんの健康・安全と学修を守るために全学を挙げてサポートシステムを展開してまいります。ぜひ安心してください。」と笑顔でコメントを発信しています。

 現在に至っても、被害者自死学生に対する甲南大学からのお見舞やお花等、弔意の意思・謝罪は一切皆無で、重大な人権侵害に対する何らの問題意識・反省はありません。

 遺族の告発によって、2020年3月の新聞・TV報道で事件が明るみになりましたが、その際、甲南大学は「大学の対応には問題は無い」とのコメントを行っており、更に酷いことには「**君が問題になるような発言をしていた」とメディアを通じて発信しており、被害者が死に至っても大学による名誉棄損被害を受けています。

 私どもの要望する第三者による公正な調査を拒否し、未だに検証作業すらも行われていません。

【国会での質疑】

 この問題は、令和3(2021)年5月13日に開かれた参議院文教科学委員会においても取り上げられています(本ブログ6月の記事を参照して下さい)。(以下略)

【毎日新聞の報道】(略)

【遺族の訴え】

 わが国において、少子高齢化、子どもの自殺等が社会問題とされ、安心して子どもを産み育てられる環境を実現することの重要性が指摘されています。

 しかし、親が大切に産み育てた子どもが、大学生にまで成長し、高額な学費を支払った教育の場で、パワーハラスメントによって平和な学生生活が破壊され、やむなく遺書を残して自死に至っても、事実関係を調査し、再発を防止する制度等は公に検討されておらず、個人の問題として放置されています。

 また、私立大学の自治の名の下に、学生の命を守るという基本的な事項について、大学に対する国または地方公共団体からの適切な指導監督がなされておらず、本件では、深刻な被害が隠蔽され、被害者が泣き寝入りを強いられる一方で、アカデミックハラスメントに加担した当事者が学長に就任している現状さえあります。このような営利優先の無責任な教育方針下では水面下での学生の被害や自殺者が後を絶つことはないでしょう。「改めなければ、今後も同じことが起こってしまう」と生前、被害学生が大学に直訴しています。命をもって抗議した学生の存在を被害者として大学は今も扱いません。国として、私立学校に対する適切な監督のあり方について考え直すべき時期に来ているのではないでしょうか。

【質問事項】(以下の回答文を参照して下さい)

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