甲南大学学生自死事件、再度文部科学省に通知書を送付したところ、回答がありました! 

本事件の代理人と遺族は、本年4月に続きこの9月初め、再度、甲南大学学生自死事件に関連する通知書を文科省に送付し、その到着を確認しました。そして最近(9月22日)文科省から回答がありました。以下にその通知書と添付した遺族のコメント、及び文科省からの回答を掲載します。

 現学長の中井伊都子氏は,来年3月任期終了予定ですが、本事件当時のハラスメント委員会委員長として「ハラスメントは無かった」という事件隠蔽のための間違った判断を公にし、被害学生を自死に追い込んだ張本人であり、このまま事件の責任を取ることなく退任(理事長に昇格!?)することは許されません。

 遺族と代理人、及び遺族を支援するチームは、これまでに様々な啓もう・宣伝活動をふまえて、引き続き甲南大学の責任を追及し、謝罪と補償を求める動きをさらに加速する予定です。今後の皆様のご協力を宜しくお願いします。

                  (事件の漫画版youtubeの1ページ)

これまでに作成したyoutubeのURLは以下の通りです。ご視聴をお願いします。

漫画版:https://www.youtube.com/watch?v=5T350Eik9Zs

テキスト版(日本語):https://youtu.be/JHQ78GyIAlI

テキスト版(英語):https://youtu.be/BE1ChgJfT9E

通知書:

 通知書(引き続きの対応の要請)

阿部俊子文部科学省大臣 殿

前略 私は、神戸市東灘区にある私立甲南大学(学校法人甲南学園が設置)に通学していた●●の母○○の代理人をつとめる弁護士です。
 平成30年3月、当時甲南大学一回生であった●●が所属していた同大学の○○部の部長及び前年度の部長が、●●が○○部において出店した学園祭の模擬店で売上金を横領した等という事実無根の名誉棄損情報を流し、根拠なく強制退部としました。この名誉毀損情報は、学内の数多くの文化部、文化部に所属する学生、さらには他の学生のほか、他大学の団体にも拡散し、●●は、多数の見知らぬ他者からの心無い中傷を口頭やSNSで受け、本人にとって大切な「信頼」という財産をぶち壊され、将来の社会的生命を絶つ取り返しのつかない事態を招きました。甲南大学は、当時、●●本人から相談を受けていたにも関わらず、適切な名誉回復措置をとらず、さらには、●●が当該名誉毀損情報の拡散がハラスメントであると申立をしたにも関わらず、大学のキャンパス・ハラスメント委員会はこれに該当しないと誤った判断をしたこと等から、●●は、平成30年10月に、抗議の自死に至りました。
【要望の趣旨】
令和4年3月14日付で、御省から当職宛に「大学に対し、御遺族に対して丁寧に説明することなど、真摯に対応するように要請しております。こちらの要請に対して、大学からは、丁寧に対応していくとの回答をいただいております」とのご連絡をいただいておりますが、本日現在、未だに大学側からは、何の連絡もありません。本人及び遺族に対し、大学が真摯に事実関係を調査の上、謝罪するよう指導をしていただきたく改めて要請します。なお、この件について、母○○からのコメントがありますので、
添付します(●●を被害学生と表記しております)。
※本要請に対する文部科学省についてなされた対応や文科省の考えを、本書到達後 2週間以内に書面でご回答下さい。
令和7年9月3日
530-0047
大阪市北区西天満3丁目14番16号西天満パークビル3号館8階
電話 06-6316-1118(代) FAX 06-6316-0685
い ぶ き 法 律 事 務 所 弁護士 岩 佐 嘉 彦

遺族のコメント(付属資料)

母○○のコメント
 甲南大学のハラスメント放置により、学生から死者が出たことに対し、文部科学省としても真摯に受け止め、対応していただきますよう要望します。

 甲南大学は、2018 年(平成 30 年)3 月、大学が公認するクラブ活動における上級生のハラスメント(被害学生が売上金を横領した等といった虚偽情報の拡散と被害学生に対する根拠のない強制退部)を制止せず、被害学生の声を無視した。そして、当該部への処分を行うどころか、同年4月、大学公式組織である文化会において、秋宗秀俊学生部長指導の責任下で、全文化部に対し、部のお金を横領した人物として、強制退部したことが通知された。秋宗部長は「君やったよね」と被害学生に発言し、伝票を確認するといった調査もなされないまま、事実無根の誤情報が拡散された。その甚大な名誉毀損被害に対して、甲南大学から被害学生への適切な救済処置及び的確な訂正は行われず、逆に、学生の被害が拡大した。さらに、同年9月、甲南大学は、ハラスメント自体が無かったと事件を隠蔽した。

 当然、その対応に納得出来ない被害学生は、自身へのいわれなき名誉毀損を払拭するため「ハラスメントを実行した部長の交代、ハラスメントを行った部活動の一時停止」を主張し「自分はダメージを負っている。納得出来ない」とさらに訴え続けたが、大学側は被害学生を被害者として扱うことなく、秋宗秀俊氏は「当時から部活の停止はないことを伝えている」と取り合わず、中井伊都子副学長は「今もなお問題になっているとは判断していない」と、被害救済とは真逆の高圧的態度の対応をし、被害学生は益々疲弊した上、7か月間訴え続けた名誉毀損被害を無かったものとされた。その日々の苦悩を「全力でやってもやっても、、、ちょっと悩みすぎて、、くそ疲れたわ」と随時親友にメールや口頭で語っている。
 そして、被害学生は、最終的な抗議の手段として、自身の尊厳を守るため、同年 10 月17日、遺書を残して、自死に至った。

 生前のやり取りで、甲南大学のトップとして「ハラスメントは認めない、現在に至ってなお問題視すべき事情まではないといえる」との言葉を繰り返して、被害学生に泣き寝入りを強いた人物である中井伊都子氏(当時ハラスメント委員長、当時副学長)が、学生死亡後の2020年に、学長に就任。事後対応は一切皆無のまま、嘘の情報を発信し、2024年には、再任までしている。
 生前から死亡後の一連の大学の対応は著しく被害学生の尊厳を傷つけるものでり、遺族に対する更なる精神的加害行動である。

 2018年当時ハラスメントを行った学生らには、2024年神戸地裁、2025年大阪高裁において、賠償命令が出ている。その間、新聞や国会での発信があっても、前文科大臣から遺族に真摯に対応するように通達があっても、教育機関である甲南大学が、クラブ活動で死者を出したこと、大学の対応が不適切であったことへの反省を示したことは無い。そして、事件再発防止のための措置も行わず、自治体に学生の死亡報告もしていないことを遺族は知った。
 遺族の告発によるメディアからの取材や、学生への大学HPには「大学の対応に問題はなかった」と発信しており、大学の初動の間違いを発端とする学生の死を軽視したままである。
 学生の死の当日より、大学から職員には緘口令が出ており、現在に至って遺族への対応は一切皆無のまま、大学から一人の弔問もなく、7年も放置されてきた。
 中井伊都子氏は学長として、笑顔で『人物教育の甲南』や「今後も各組織で『甲南らしさ』を追求していきます。」と大学ネット広告で発信しているが、被害学生の命を慈しむという基本的で常識的な教育から脱線していることは、遺族として否めない。被害学生は生前、自身で大学に対しハラスメント被害を整然と7か月間も訴え続け、抗議と苦悩の言葉を文章で残している。
 「このまま何の処置もなしに活動を続行させてしまうと、後々の彼らのためにならないです。今回のことを何も罰せずに、そのままにすると、又、同じことが起こってしまうと考えているので、処分をお願いします(2018年7月)。強制退部の措置について、全体としてハラスメントが行われたと思う(同年 8 月)。強制退部はハラスメントではないのか、納得がいかない、いったい大学のどこに言えばいいのか、自分はダメージを負っている。(同年 9 月)もう甲南にいても何もならない、勉強とか関係なくいい学校じゃない、無駄な学費を払う気にもなれない(同年10月)」その他一連の記録が残されている。事件のあった3月に、被害学生が自ら学生部に被害を届け、中村英雄事務学生部長、秋宗秀俊教授学生部長、中井伊都子副学長、当時父母の会会長、長坂悦敬当時学長、吉沢当時理事長にも、被害学生と母親から報告し悲痛な状況を相談していた。

 事件当時の当該部活動、文化会常任委員会、部長会における学生たちの謂れなき高圧的対応も軽率なハラスメントとして反省すべきもので、被害学生を苦しめたが、その後大学から生徒への適切な指導も事件説明も成されていない。驚くべきことにその後は、最悪の結果となった学生の死を隠蔽したまま、甲南大学では当該公認部活動に対し、学長顕彰授与表彰式や祝賀会が繰り返し開催され、ネット上で祝賀会の様子が発信されている。この7年間の『甲南らしさ』?の大学による行為は教育機関として問題視すべきもので、再発防止ができているとは到底いえない。
 遺族は被害学生の意志を引き続き、甲南大学に説明責任と被害学生への謝罪を求めます。国としても対応をお願いいたします。

文科省からの回答(9月22日付)

甲南大学は教育機関として、また当時関わった大学職員は人間として、まともな対応をして下さい。甲南大学が誠意ある姿勢を示されることを強く望みます。

甲南大学学生自死事件に関連し、文部科学省と甲南大学宛通知書を送付し、 それぞれ通知書到着を確認しました。

前記事で報告したように、2018年の甲南大学学生自死事件に関し、3月に大阪高裁で、加害者に対する名誉棄損行為があったとして、神戸地裁一審判決に続き、賠償判決が出され、確定しました。

これを受け、自死遺族と代理人はこのほど改めて文部科学省と甲南大学に「通知書」を送付し、事態の進展と改善への協力を求めました。以下に2種類の通知書を掲載します:

【遺族コメント】

 甲南大学2018年の息子の抗議自死は、中井伊都子氏(当時ハラスメント委員長)をトップとする指導死です。
 事件当時、直接指導死に関わった人物:中井氏は学生の死の翌々年、甲南大の学長に就任し、その後、遺族の言葉も文科省からの通達も無視し、学生の死に一切触れること無く、更に2023年〜現在も再任中です。
なぜ、公に学長として笑って顔が出せるのか、遺族は道義的理解に苦しみ、はらわたが千切れる思いです。
  2020年遺族告発によるメディア報道で、甲南大学は「大学の対応に問題はなかったが、学生の死は悲しい。ご冥福をお祈りします。」とコメントしており、甲南大学からは、今日まで一人の弔問もありません。
 「学生自死当日より大学職員には、緘口令が引かれている、学内では個別の対応を禁じられている」と、息子の死後、母と他の保護者が学部教授らを直接訪ねて対面で聞きました。
 被害学生と家族へ、その他へ、公へ、相手によって、カメレオンのように態度を変える現学長らの言動を、息子生前のハラスメント事件〜今日まで遺族は目にしてきました。
ハラスメント隠蔽→学生の抗議死→人の死軽視→その後の甲南大学の対応について、甲南内部関係者は誰も違和感を感じないのでしょうか。
 「このままでは、また同じ事が起こってしまう」と、生前訴え続けた被害学生が、被害者として扱われず抗議自死にまで追い詰められました。
甲南大学は加害学生らに、まともな躾けもせず、文化会でも、うやむやで終わらせられた苦悩、甲南大学の対応が自死の原因だと、遺書にもあります。
 大学初動対応の過ちによって名誉毀損被害が拡大すると、最終的に「格別問題すべき事情までは無いと言える」と、中井伊都子(当時ハラスメント委員長:現学長)、秋宗秀俊氏(当時学生部長:当時文化会責任者)は、被害学生である息子にハラスメント泣き寝入りを強いました。息子は、その苦悩の日々の爪痕を資料で残しています。
 甲南大学は教育機関として、当時関わった大学職員は人間として、まともな対応をしてください。

 

 

甲南大生自死事件 加害者元部長らへの賠償命令再度認定される!大阪高裁 2025年3月7日 

 昨年6月の神戸地裁における一審判決(下記に新聞記事掲載)に続き、さる3月7日、大阪高裁において、加害者元部長ら2名に対する二審判決が下され、より踏み込んだ内容・範囲で、被害者に対する名誉棄損行為が認められ、賠償金の支払いが改めて命じられました。 ただ、現時点では、加害者らは遺族への謝罪や哀悼の言葉もなく、判決公判にも出廷せず、この事件を終わらせようとしています。

 また(これまでの本ブログ記事に詳しいが)、甲南大学はこの件に関し、学内ハラスメント委員会において「ハラスメントは無かった」と結論付け、その後大学内での適切な対応を怠るという2次ハラスメントを強行し、被害者を自死に追い込みました。今日まで一貫してその責任を取って来なかった大学当局は、在学生による重大な名誉棄損行為があったというこの判決を真摯に受け止め、被害学生に一連の重大な名誉棄損事案を起こした当時の加害学生を大学当局が擁護し、事件の隠蔽に走ったことを認め、謝罪と補償をすべきだと考えます。

以下は原告である自死学生の母親の言葉です。

また、以下に一審判決を伝える新聞記事も掲載します。

実際の記事は以下で参照できます:

https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202406/0017788904.shtml

また事件を紹介する漫画版youtubeも配信しています:

https://www.youtube.com/watch?v=5T350Eik9Zs

以下は漫画内の2頁です:

 

「甲南大学学生自死事件」に関するまんが版youtube動画が完成!

「甲南大学学生自死事件」に関するまんが版youtube動画が完成しています! 改めてご視聴と再度の拡散をお願いします。

甲南大学ハラスメント被害学生抗議自死事件 漫画版 2401102

まんが作者榎屋克優先生のXは@enokiyamangaです。様々な大変興味深くかつインパクトのある漫画が満載です!

 

これまでの投稿記事のyoutube動画を作成・公開しています!(甲南大学学生抗議自死事件)

これまでの投稿記事の内、甲南大学学生自死事件でのアカデミックハラスメントに関するyoutube動画を作成・公開しています。被害学生の声が正しく社会に届くように、皆様による拡散をお願いします。

甲南大学の事案:

「甲南大学ハラスメント被害学生抗議自死:大学が冤罪被害隠蔽 240227」

 

https://youtu.be/JHQ78GyIAlI

 

「Konan University – Student Protest Suicide Case Questioned-240229」

https://youtu.be/BE1ChgJfT9E

【速報】甲南大学HP・学長中井伊都子氏略歴の一部削除される!

前記事でわれわれは、甲南大学HPにおける「学長再任のお知らせ」の記事内に正しくない記述があることを指摘しました。即ち「2019年10月 国連人権理事会諮問委員会委員(現任)」とある記述は、(国連のデータなどによると)一期3年のみの任期で辞めているはずなので、正しくないのではないか、という主張でした。上記の記述は、2月26日(月)の時点で削除されたようです。前記事と同時にyoutubeを配信したのは2月25日(日)ですので、異例に早い対応かと思います。

ただ、昨日削除されたとしても、2022年9月の退任後現時点までほぼ1年5ヶ月、上記の委員退任のアナウンスはなかったばかりか、少なくとも「正しくない記述」は「学長再任のお知らせ」記事(2022年12月22日付)が出てからでも約2ヶ月そのままであった事実は変わりません。

甲南大学は、再任する学長の略歴を「正しくない記述」を利用して取り繕う以前に、人権問題の専門家である学長の見識を生かし、これまでの取り組みを反省して、学生の人権問題を率先して取り上げる姿勢を明確にし、真に学生を大切にしていく姿勢こそアピールすべきではないでしょうか

甲南大学公式HP・中井伊都子学長の現行履歴に問題あり!

甲南大学学生自死事件遺族からの訴えー遺族の言葉(3)2023/12/22現在、甲南大学HP「学長再任のお知らせ」に中井伊都子氏プロフィールが、正しくないと思われる内容を含む形で掲載されています。

「第18代 甲南大学学長・中井伊都子(なかい いつこ)略歴(2023/12/22現在)」の中の「2019年10月 国連人権理事会諮問委員会委員(現任)」の記載は、正しくないと思われます。 私たちは、2021年8月15日に国連に対し「中井伊都子氏は国連人権理事会諮問委員に不適任者である」という抗議文章を送付しました。私たちは、抗議文章送付後の経過を注目していました。その後、中井伊都子氏は、昨年になって同理事会諮問委員会委員を2019年10月〜2022年9月の1期のみでやめている(通常は再選されて2期務めるが、再選されていない)ことが判りました。このことは国連の関連ホームページ

https://www.ohchr.org/en/hr-bodies/hrc/advisory-committee/members

でも明らかです。にもかかわらず、2024年現在の甲南大学公式HP(上掲)には中井氏の現任略歴として今も同委員であるかのような記載がなされています。

 ハラスメント被害者学生の遺族として、念のため井坂信彦衆議院議員事務所(甲南大学所在地議員)から外務省へ事実確認をお願いしました。2024年2月16日、外務省人権人道課から井坂事務所に「中井伊都子氏が現任ということはない」との回答がありました。

 甲南大学の組織では、これまで2018年に抗議自死した学生に対するハラスメントを隠蔽放置し、その結果起こった抗議学生の死を軽視してその後の対応を全くしていない一方で、事実と異なる形で国連の重要ポストさえ大学広報の手段として利用しているように思えます。

 甲南大学関係者の皆様、兵庫県知事、神戸市長、神戸市内産官学代表者・関係者の皆様、中井氏関係団体の皆様、甲南大学と組んでいるマスコミの皆様、この常識はずれの倫理観が欠如した姿勢を放置したままで済ませるのですか?これからも中井氏と笑顔で一緒に映った写真や記事を公に発信することができますか?

皆様の誠実な対応を期待します。

 

文部科学大臣と兵庫県知事に要望書を送付しました(甲南大学学生自死事件)

甲南大学抗議自死被害者学生母として、文部科学大臣及び兵庫県知事に要望者を提出しました。

                     

 

  1. 私立甲南大学(兵庫県)2018年学生自死は、当時、甲南大学がしかるべき対応をしていたら、自殺を防げていた事件です。
  2. 甲南大学は教育機関として、真の「人物教育」を行っておらず、
  3. 『自殺対策基本法』(平成十八年法律第八十五号・1章9条・21条)にも違反しています。

再発防止のための背景調査を目的とした徹底した事実解明を行い、大学を含む関係者の対応の課題や再発防止策等を策定することを義務づける条例の制定を切望します。

  • 甲南大学は被害者学生と家族の必死の訴えに対し、ハラスメント被害自体が何もなかったものとして適切な処置をせず放置しました。更なる隠蔽工作のため被害者・家族は泣き寝入りを強いられ、その結果として、被害者学生は、最大限の抗議として遺書を記し自死に至りました。

甲南大学は、大学の不適切な対応のため学生自らが命を絶ったという事実の検証すらせず、事件風化を待つのみで、責任の回避をしています。

現在も被害者学生の尊厳は侵害されており、遺族に対する心的加害行為が続いています。

          齋藤元彦兵庫県知事と中井伊都子学長

11月4日MBS毎日放送「情報7daysニュースキャスター」によって取り上げられた日本大学第三者委員会委員長の発言」、『鯛は頭から腐る』

  • 当抗議自死の原因の一つである大学側の不適切な対応に関与した中井伊都子氏は、自死後まもなく、甲南大学学長・甲南学園常任理事、同時に国連人権理事会諮問委員(2019年から1期)、県内「大学コンソーシアムひょうご神戸」の理事長等、複数の重責に現在も就任しています。このまま中井氏が、自身の対応によって学内学生自死を引き起こした事実に全く向き合わず放置するならば、そのような重要な役割に就任できる人物としての整合性に欠けます。真面目な学生が、自分への名誉棄損・ハラスメント被害の理不尽を、最終的に死んでまで主張せざるを得なくなった悲劇、学生の失われた平和だった生活、その命の重さに対し、中井氏は「人権」の専門家として責任ある行動を取ってください。

文科省、指導死児童についての初の実態調査へ(3/3)なぜ甲南大学学生自死事件に取り組み続けるのか?

(3)なぜ甲南大学学生自死事件に取り組み続けるのか?

本ブログでは、この間、いわゆる2018年度に起こった甲南大学における学生自死事件とその後について、今日に至る一連の経過を報告してきました。

【事件の経緯ー再録】 2018年3月、被害学生は甲南大学:学生部に部活動ハラスメント被害を訴えたが放置され、同4月には当時所属していた部の部長名で全ての甲南大学公認文化会ー関西圏10大学合同活動する団体へと「名誉毀損:誤情報」が流布された。秋宗秀俊学生部長(当時)による黙認で被害が拡大したため、同5/22、被害学生は甲南大学キャンパスハラスメント防止対応委員長(当時):中井伊都子氏に直接苦情処理を申し出た。同5/26には、被害学生母親が長坂学長(当時)ー吉沢理事長(当時)に被害救済を訴えたが被害学生の名誉回復には至らず結果的に放置された。同9/19、中井伊都子ハラスメント委員会委員長は、被害学生を学内に呼び出し「今もなお問題になっているとは言えないと判断している、学長から学生部長に対し部の指導指示が出されている、強制退部手続きの問題としての指導は行うが恐らく処罰はくださない」との説明(残された記録引用)があり、被害に対する名誉毀損救済は皆無となった。「誤情報拡散、強制退部はハラスメントではないのか、大学のどこに言えばいいのか」と訴える被害学生の声は無視され、大学側の高圧的な態度で事件は隠蔽された。同委が「ハラスメントと認定しない」との結論を出した約1か月後に被害者学生は命を絶った。「自殺に至った主な原因は3月に起こった部および文化会による名誉棄損による精神的ダメージ(中略)甲南大学の対応も遅く私は限界となりました。以上のことにより3月より精神が著しく削られ私は自殺します」との遺書を記し被害者学生が自殺したその翌年、中井伊都子氏は、甲南大学学長:甲南大学理事へと昇進。2023年現在に至るまで甲南大学側から遺族への対応は皆無で、第三者委員会設置拒否、文科省からの対応要請にも無反応のままである。

以下は2020年の新聞記事です:

甲南大生自殺、ハラスメント委調査「闇のまま」 議事録非開示 外部専門家参加せず  毎日新聞 2020年3月29日

「横領」誤情報で甲南大生自殺/上 ハラスメント認定せず 遺族が検証要望も拒否 /兵庫  毎日新聞 2020年4月5日

甲南大生自殺 ハラスメント委の調査過程、客観性乏しく不透明のまま  毎日新聞 2020年4月6日

「横領」誤情報で甲南大生自殺/下 調査過程、不透明のまま 客観性乏しい学内委 /兵庫  毎日新聞 2020年4月6日

(1/3)で述べた文科省の決定に関し、この事件の遺族は次のようにその思いを述べておられます:

【ブログ「管理人」様 **(弁護士)先生

今日の夕方のニュースで教師の不適切な指導による学生(児童・生徒)の自殺「指導死」の実体を文科省が調査するという速報が流れました。今回は高校生までが調査の対象ですが、ようやく山が動き出したように思います。(これまで30年近く)文科省へ遺族が被害を訴え続けてようやく今回の調査につながりました。当事者家族らとは、学校事故を語る会で何度かお話ししましたが、現在大学生の家族として声をあげているのは当方だけです、、、「大学が文科省の指導対象外である理不尽な事実」を是非取り上げて欲しいです】

また、

【私立大学の自殺者数が表に出て来ないのは、そもそも、大学側が外部に学生死亡の事実を隠蔽し、報告していないからです。】

とも仰っておられます。(2/3)の記事からも分かる通り、文科省は自死大学生に関する統計調査は、国立大学のみしかやっておらず、ましてや個々の事例に関し、詳細な調査は一切行っていません。前述の、関連団体による全国の国公市私立大学に関する調査も昨年度やっと2回目であり、回答率は約80%であることから、2割の(私立?)大学が調査要請を無視、あるいは無回答していることがわかります。以下の甲南大学の文書からは、おそらく甲南大学もこの種の調査には応じていない可能性が指摘できます。ましては、専修学校(看護学校など含む)に関しては、文科省以外の管轄でもあるので、さらに(全国的)統計などが無いのが現状かと思われます。

実際、代理人弁護士からは

【甲南の代理人から私になされた回答のうち、そもそも死亡事故について大学内には文書が存在せず、その理由として、報告する義務が無いからだとする文書を(もらっているので)それを添付しました。(以下に画像)】

という連絡もあります。まさに「無かったこと」として文科省とマスコミ・世間に都合の悪い(大学の評判を落とす)事実を隠蔽し続ける態度は「ハラスメントはなかったとする」大学当局の「結論」以降、全く変わっていません。

続いてご遺族は【文科省の指導死調査も大学は枠外に置かれており、指導死を行った人物の学長就任や耳障りの良い公言はどこからも正される事無く、被害者学生とその遺族は悲痛な泣き寝入りを現在も強いられています。文科省は(私立大学の自己採点:自治に任せて助成金や補助金支給の増額を検討するのではなく)、早急に大学指導死の実態調査を行い、大学において指導死を出した私立大学には、その責任を負うよう指導してください。よろしくお願いいたします】

と再度文科省への要望を述べられています。

 2年前の国会質問後には文科省は「指導した」と言っていますが、大学は何らそれに対する誠実な対応はしていず、相変わらずご遺族無視の学生の命の存在すら無かったかのような姿勢を続けるのみです。われわれはこの種の事案を粘り強く発信し現状を何とか変えるべく、文科省や各大学に引き続き訴えていきたいと考えています。

 もし身近に、似たような自死例をご存知あるいは経験され、大学当局や文科省にまともに取り合ってもらえず、無視(無かったことに)されたり裁判を思いとどまるよう説得されたようなご経験をお持ちの方は、是非情報をお寄せ下さい。古い事案でもこれからまだやれることがあるかも知れません。

文科省、指導死児童についての初の実態調査へ(2/3)増えている若者の自殺、調査範囲をハラスメント自死大学生、専門学校生にも速やかに拡大を!

 

(2)増えている若者の自殺、調査範囲をハラスメント自死大学生、専門学校生にも速やかに拡大を!

最近のニュース記事

「去年の全国で21,881人がみずから命絶つ児童・生徒は過去最多」

2023年3月14日NHKニュース

によれば、厚生労働省発表の確定値で、昨年(R4年=2022年)1年間の自殺者総数は21,881人、その内児童生徒の自殺者数は計514人(高校生354人、中学生143人、小学生17人)で、統計がある昭和55年(1980年)以降、初めて500人を超え、過去最多となったということです。厚生労働省は「子供や中高年男性で増えていて、各種相談支援をさらに進めるほか、会計省庁と連携して対策を進めたい」としています。

関係する背景(統計)

  • 若年層の死因に占める自殺の割合

 厚生労働省「人口動態統計」によると、R2年における我が国の年齢階級別にみた死因は、10~39歳(男女計)の全年齢階級で第1位が「自殺」であった。その割合は「10~14歳」では全死亡の約29%を、15~29歳では、50%以上を占め、「不慮の事故」や「悪性新生物」による 死亡を大きく上回った(下図)。とくにこの50%という数字は深刻に捉えるべきであろう。

  • 外国との比較

 世界保健機関の令和元年のデータによる と、我が国の15~24歳の自殺死亡率は経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development, OECD)加盟国38か国中、男性は第9位、女性は第7位 となった。なお、国によって一部欠損している期間も あるが、確認できた期間の傾向として、いず れの年齢階級においても日本は、韓国、アメ リカ及びカナダとともに、ヨーロッパ諸国 (イギリス、イタリア、ドイツ及びフランス) と比較すると高くなったことがわかっている。

  • 過去10年程(2009~2021)の児童生徒及び学生等*自殺者数の推移

*小学生は 「児童」、中学生と高校生は「生徒」、大学生と専修学校生等は「学生等」と表記。

最近のデータとしては次の2つの図表が挙げられる(少し古いが):

2011年の大津いじめ自殺報道以降、現在のコロナ禍中に至るまで、自殺者数、自殺率(10万人当たりの自殺者数)とも急激に上昇していることがわかり、その原因究明が早急に必要であるが、報道のあり方も関係している可能性がある。

上のグラフは、近年のこの上昇傾向が学生等(学生+専門学校生)の自殺者数にも同様に現れていることを示している。上昇が始まっている平成30年(2018年)はコロナ禍以前であり、やはりこの原因もはっきりしない。

また、大学生、専修学校生などの自殺についての統計には、

a) 令和 3 年度 国立・公私立大学死亡学生実態調査

b) 令和 3 年度 国立・公私立大学死亡学生実態調査ー結果まとめ

などがある。これまで国立大学に関する統計は存在したが、広く公私立大学(短期大学含む)にまで拡大された調査結果はどうも令和2年が初めてだったらしく、上記の報告は2回目(令和2年の実態を反映)のものである。資料a)の1ページ目を載せる:

これによると、回答があった932大学(学生数約280万人、回答率82.5%)のうち、死亡学生数は636人、自殺又はその疑い331人となっている。回答率約80%考慮すると、実際の自殺者数は約400人と推定できる。これらの調査は、問題意識をもつ関係者によって自主的になされた調査の結果であり、「結果まとめ」にも個々のケースについての詳しい報告は無い。本統計の関係者は詳細の報告を受けていないか、それ自体各大学に任され、明らかにさされていないと思われる。即ち、これまで、文部科学省は大学生の死亡や自死事件に関して、何ら調査をすることもなく、ましてやそれらの実態についての詳しい調査や原因究明に関しては、当事者=大学等に任せて放置してきたと言うことである。「大学の自治」に任せるという言い訳がこれまで度々都合良く使われたきたが、このブログでも散々述べてきたように、これらの問題に関しては、残念ながら大学あるいはその教職員等は自己保身や文科省対策のため事件の隠蔽を図るのみで、学問の府としての良識を期待することは到底望めない。それどころか、大学執行部は学生の自殺や覚せい剤関連の事案については、しばしば(特に地元の)マスコミにはかん口令を敷くことは日常茶飯事である。小中高校では、いまや普通に設置される、外部のメンバーが参加した自殺事案に関する第三者委員会は、大学についてはこれまで一度も設けられたことは無く、学内関係者のみの調査委員会が作られ、大学に都合の良い「結論」を出して終わりということが多い。

 文部科学省は、これまで置き去りにされてきた、ハラスメント自死学生・専門学校生の諸事案に対する調査を大学に強力に指導することから始め、第三者委員会の設置を促してその調査活動を具体化させ、委員会の報告・結論・提言に積極的にコミットするべきである。

 最後に、 大学生・専修学校生等の自殺をめぐ る状況(原因・動機)に触れておこう。少し古い(~2014)資料:

第2節 若年層の自殺をめぐる状況

によれば、次のような考察がなされている。

 ”大学生の原因・動機をみると、男性におい ては、「学業不振」、「その他進路に関する悩 み」、「うつ病」、「就職失敗」の比率が高い。 自分の将来の進路、就職、それらに大きな影 響を与える学業を悩みとするものになってい る。専修学校生等の男性の自殺者においても 男性の大学生と同じ傾向である。 平成26年の全年齢の完全失業率35が3.6であ るのに対して、15歳~24歳の年齢階級での完 全失業率は6.3であるように、若者の就職をめ ぐる環境が依然厳しい中で、就職や進路が大 きなプレッシャーになっていることがうかがわ れる。  女性の大学生や専修学校生等の自殺の原 因・動機をみると、大学生と専修学校生等と では、その両者には大きな違いはない。男性 の大学生や専修学校生等と比較すると、「うつ病」が高くなっている一方、「学業不振」、 「その他進路に関する悩み」、「就職失敗」は 低くなっている。 景気の変動に伴い就職状況が厳しくなった り、あるいは競争の中で、学業の成績や就職 が期待したものにならなかったりすること は、学生の努力だけでは避けがたい面がある。”

 現在(2023)においては上記理由のみならず、大学生自殺の原因として「指導死」(ハラスメント)もあるとの報告が、被害者学生の家族から文科者や自治体に伝えられている。当ブログ管理人にも被害者学生遺族からの悲痛な訴えが寄せられており、次回記事でその詳細を再度明らかにしていきたい。