①甲南大学から被害者遺族への手紙:
4年放置後にやっと届いた紙一枚!?
2018年の甲南大学によるハラスメント被害者である学生の死亡に対し甲南大学は自死学生への最低限の処理も放置してきた。最近、その事実を遺族が(全国)大学生活共同組合に連絡したところ、甲南大学から、(学生死亡後4年も経って)初めて遺族に封書で手紙が直接届いた。その内容は、「学生カードに入金されている残高を返金する」というもので、所定の用紙が入っていたが、添えられた手紙が遺族に送付するには全くふさわしくないイラスト印刷の紙片であった。
この4年間、甲南大学から学生死亡に対する弔意は一切皆無で、それ自体著しく常識が欠けているが、今度は、大学生協から送付されたメッセージ用紙が、遺族に全く配慮のないイラスト付のものであり、遺族の気持ちをさらに逆なでしている。当ハラスメント事件は2021年国会で問題となり(本ブログ記事)、その後文科省から甲南大学へ、「遺族に対して真摯に対応するよう要請しております」という文章が出されている。その文科省要請に「はい」と甲南大学側は返答したものの、その後も放置を続けていることは許せない行為である。抗議自死した元在校生やその遺族には文科省の要請をも無視した厚かましい恥知らずな姿勢を示す一方で、高校生、新入生・在学生やその父兄、OBの教員、財界人には、恣意的な誤った薔薇色のイメージのみを宣伝して学生集めに汲々としている。まさに、大学広報内容と遺族に対する態度の間には甚だしいギャップがあり、この「恐ろしい二枚舌」で世の中に偽りの大学像を発信し続けている(最近の大学HPでも顕著)。
②有識者会議を経た「学校法人制度の法改正」への文科省の動き
最近、文科省有識者会議の一つでは、次のような議論がなされている:
「学校法人制度の概要及び私立学校法の改正について」(令和4年度学校法人監事研修会)
https://www.youtube.com/watch?v=eLGiHaYHZeQ(資料)
このyoutubeから抜粋して、少し述べたい:
(赤枠部抜粋)
学校法人における自律的なガバナンスの改善に資する仕組みを構築するため、理事畏の解職に関する規定の追加を検討するなど、社会の変化を踏まえた学校法人制度の在り方について不断の見直しに努めること。また、学校法人の不祥事や不正等が繰り返されることのないよう.これらに対する告発が隠蔽されずに適切に聞き入れられる仕組みの構築等、より実効性のある措置について速やかに検討すること。
衆参両議院の委員会において、以上のような附帯決議がなされたにもかかわらず、甲南大学では4年前の学生自死事件に関し、依然として何ら誠実な対応をしていない。そもそも、当時「ハラスメント委員会」を主導し、当該学生を抗議自死に追い込む、「ハラスメントではない」という結論を導いた人物(中井伊都子氏)がなぜその後、常任理事、学長に就任できるのか?遺族の悲痛な声が国会に取り上げられても学内の誰もこのことを指摘し問題化出来ないのか?公共性・公益性を有する学校法人は社会に説明責任を果たす必要がある。
私立大学法人では不祥事発生の背景となるガバナンス不全の構造的リスクがしばしば見受けられ(資料p19)、それゆえに法律の成立いかんにかかわらず、今後この法人=甲南大学が社会の信頼を得るためにも改革を先んじて取り入れてほしい(資料p21)と考える。