その後、(4)が非常に長くて読みにくいと思われましたので、ほぼ半分に分割し(4)と(5)として再編しました。特に(5)では、その後の甲南大学の家族に対する不誠実な対応と対外的なパフォーマンスを報告します。これらは、明らかに、事件を無かったものにすることを狙ったものと言えます。
これまでと同じく概略の経過を示す:
甲南大学は、「学生の命の重さ」よりも「営利重視」の大学である事実を息子の抗議自死後も嫌というほど見聞きした。
甲南大学は、1951年創立の、実質的にまだ歴史の浅い大学であるが、甲南学園として、被害者学生抗議自死直後から、「甲南大学文化会表彰式」「課外活動祝勝会」「元旦新聞・甲南大学全面祝賀広告」「100周年記念音楽祭」「甲南学園100周年記念パーティー」のお祭り騒ぎ、祝賀会を繰り返し、甲南大学幹部たちは、被害者学生抗議自死の事実を隠蔽したまま、満面笑顔の記念写真によってブランドイメージを強調する広報、例えば「世界の甲南」、「『人創り』の教育」、「甲南大学は、皆さん(=学生)の健康・安全と学修を守るために大学を挙げてサポートシステムを展開してまいります。ぜひ安心してください」などと世の中に発信している。
https://www.kobe-np.co.jp/info/go_university/konan.html
ミディアムサイズの大学、甲南大学の閉塞したシステム内において、息子はハラスメント被害を問題化することすら困難な状況に置かれた。甲南大学と大学内加害者の「責任を取りたくない。事態は無かった事としたい」という利害目的は一致しており、大学幹部は負の英知を結集して、一学生である息子の甚大なる被害と悲痛な訴えを握りつぶした。
息子は、死にたくて死んだわけではない。大切な命を懸けて、自身の尊厳を守るために、大学ハラスメント問題の不合理を世の中に発信したのである。
「かかる瑕疵についても、現在に至ってなお、格別問題視すべき事情までは無いといえる」という文言列挙の中井ハラスメント委員長の結論。「君が脈絡も無く攻撃的に話をしたことから、あのような状況になった」という中村英雄学生部事務部長の発言。秋宗学生部長による「いじめがあれば問題と考えたがそれはなく、君自身の言動が原因になっていると思われる」等の被害者を被害者として扱わない冷酷な暴言の数々。大学組織ぐるみのそれらのハラスメントが、被害者学生にどれほどの苦痛を背負わせたか、それらが現実的に息子の将来をいかにぶち壊す行動であったか、を当該関係者たちが深慮することも無く現在に至っている。しかしながら、もし自分自身や御家族に同様のハラスメント被害が降りかかったとしたら、わが息子と同じように、「瑕疵では済まされない」と、誰も決して納得できないはずである。
甲南大学の「全学生・教員・卒業生・父母・家屋敷や多額の寄付をした関係者・100周年記念コンサート等関係者」の名誉のためにも、甲南大学の不適切な対応を正す必要があると捉えている。
○ 第三者による検証すらもなされていない
代理人弁護士を通じて文科省・萩生田光一大臣に甲南ハラスメント事件を報告した(2019年11月26日付)。私立大学は、現在自治に任され外部の目が入っていない。そのため、倫理観が欠如した私立大学では組織防衛のために情報が操作され、被害者は泣き寝入りを強いられるという現状の問題を投げかけた。早期に文科省がガイドラインを作成し、私立大にも中立性が確保された第三者委員会の設置し、検証と指導の必要性がある。本件は、文章を送付しただけでなく、2019年12月12日、「全国学校被害の会」内海会長が文科省に出向き、口頭でも陳述した。
学生が残したハラスメント被害記録文章・資料は、現在複数の有識者が保管している。
○ 人権を守る発想・資格のない中井氏が国連人権理事会諮問委員に就任??
2018年に潔白な学生が抗議自死を行い、遺族が苦しみでのたうち回っている中で、2019年学生自死の翌年、当時の中井伊都子ハラスメント委員長が「国連人権理事会諮問委員」に就任したようである。大学の学生の人権を守れずに国連で人権をどのように語るのか、大いに疑問であり不気味(ブラックジョーク)に感じる。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page3_002980.html
https://www.suzukikeisuke.jp/令和元年11月29日%E3%80%80人権関連国際選挙当選祝賀レセ
「人権理事会諮問委員会の候補者の指名は「候補者の技術的・客観的な要件として、人権分野における定評ある能力と経験を有すること、高潔な倫理観を有していること、独立性と公平性を有すること」とされている。2019年10月から、アジア5議席の一人として就任している。外務省の国連人権理事会諮問委員会のHPは 以下。
「日本は、国・地域の人権状況及び人権上の諸問題の解決に向けて、引き続き人権理事会の活動に積極的に貢献していきます」とされているが、人権を破壊される究極の状況で、被害者学生は何度も中井伊都子ハラスメント委員長と話をしている。母親も直接話したが、途中から「距離を保つ」と面会拒否であった。被害者学生が中井氏に電話をしたが、電話口の事務職員は「取り次げません」の返答、「電話を直ぐに取り次ぐように、直ぐに!」と切羽詰まって緊迫した被害者学生の声が、この事務職員の耳には今でも残っているだろう。
母親は、次のように話をしている。
「我が息子の抗議自死の行動は、どんな言葉よりも雄弁に甲南大学ハラスメント対処の失敗を世に示している」
「『被害者学生の若い命が失われた悲劇』の真実を社会に知らしめることは、抗議自死学生の母親としての義務である。人生には、きっぱりとNOを言うべき時がある」
被害者学生と遺族に対して、最悪の禍根を残す結果を引き起こし、目の前にある人権の問題に向き合おうともしない中井氏が、「国連人権理事会諮問委員」という重責(アジア5議席のひとり)を担うことは、到底可能だとは思えない。国際社会には、真のリーダーとして相応しい人物を送り出してほしい。間違った人事が横行しているのであれば、引責辞任するべきである。
不適切な人事が是正されないまま、誰かがその首に鈴をつけるのを待っていては、更なる悲劇が繰り返されてしまうのではないだろうか?