本ブログ(アカデミックハラスメント情報資料室)を始めた理由とその目的
最近、官公庁・民間会社でのセクシャルハラスメントや職場のブラック化に伴うパワーハラスメントの話題が連日メディアを賑わしています。ところが、教育・研究を主な仕事とする研究機関〔民間も含む〕や高専・大学での、いわゆるアカデミックハラスメントについては、断片的な報道や情報はあるものの、その詳細はあまり知られていません。
アカデミックハラスメントの現状は一般市民が想像するよりもはるかに深刻です。その実態は恐らく民間会社や官公庁よりひどく、多くの若手職員、学生、大学院生(女性を含む)が苦しめられ、退学・退職や自死に追い込まれることもしばしばで、その後の人生を台無しにされているケースも少なくありません。その最大の原因は、いわゆる世間的「エリート」の人権意識の驚くべき低さですが、それに加え、アカデミズムを標榜する組織にあるまじき自浄能力の無さも見逃せません。
この状況は小中学校・高校でのいじめの問題やブラック企業でのパワハラの問題とある意味似ています。意識の低さから頻発するハラスメントに対し、内部のハラスメント委員会は、当事者への事情聴取や加害者(身内)への調査・処罰を、被害者の立場で迅速に追及することができていません。その理由は、身内への気遣いやプライドに基づく加害者の抵抗に加え、委員会が当面の対処に終始し根本的なハラスメント対策立案が後手に回っているからだと思われます。その結果それぞれの事案の処理は殆ど放置され、さらに新しいハラスメントが蔓延してモラルが次第に崩壊するという悪循環に陥っています。米国の大学で教職員と学生との恋愛禁止規則が制定され始めているのもこのような状況を断ち切る一つの対策と言えます。
われわれの最初の目的は、このような現状について、特に今現場で苦しんでおられる当事者の方々やこれから関連組織に参加・就職・入学などを考えておられる方々に、なるべく多くの情報を発信・提供・共有化して、身近にある「危険な」組織について警告するとともに、現状を迅速に変えるきっかけを作ることです。そして、現在進みつつある流れ、すなわち特に自死等に至ったケースや常習的、大規模または長期のセクハラ等がからむ重大事案を中心に、ハラスメント問題の解決に第三者(外部)機関が介入できる仕組作りをめざすことがわれわれの目標です。
わたくしたちが本情報資料室でやりたいこと
当面の活動として次の2つを考えています。まずは1)を中心にスタートしたいと思っています。
1)ハラスメント事例の収集と情報開示
管理者及びブログ訪問者の皆様から収集したハラスメント情報を、順次アップしていきます。但しこの段階では、【事例】としての開示(一般開示)で、個人、及び組織名は明らかにしません。ただし組織の存在する地方名(関東、中部、九州、、、、、等)、教育機関か研究機関かの区別、付属資料の有無は明示します。
この情報を見た読者から特定の【事例】情報についてのさらなる開示要請があれば、管理人の判断により、要請者にのみその詳細な開示(付属試料を含む場合がある)を行います(特定開示)。この際の判断基準は、要請者(またはその関係者)が関連組織に所属または所属予定で、現在または今後重大なハラスメント被害が生じているか生ずる恐れのあるとき、とします。身元確認のため要請者には原則管理人がお会いして判断する予定です。
このような2段階の開示プロセスを迅速に進めることにより、ある地方の特定の機関のハラスメント実態を全国的に明らかにできるものと考えます。
2)様々な研究教育機関のハラスメント実態とその対策・処分についての現状調査(統計資料収集と公開)
管理者独自ルートや公開情報、及び読者からの提供情報を随時まとめ、なるべく組織間の比較検討ができる形に整理して情報公開します。
3)ハラスメント相談の受付
2018年9月より、メールでハラスメント相談の受付を開始します。被害者・当事者の立場に立った、被害者が納得のいく迅速な問題解決を目指し、われわれの経験を踏まえた様々なサポートをしたいと思っています。まずはメールで問題の概略をご相談下さい。必要に応じて、管理者が直接電話、或いは面談する時間を作りたいと思っています。
ブログ訪問者の皆様へのお願い
身近なハラスメント事例を是非お寄せ下さい
1)アカデミックハラスメントの具体事例
あなたの属する組織、或いは地方〔地域〕で経験した、或いは進行中のアカデミックハラスメントの具体事例をお寄せ下さい(お問い合わせメール添付の形でお願いします)。被害者(当事者)ご本人以外の友人・知人でも構いません。
投稿内容はまずはこちらで精査・検討の上、要約を作り、内容・表現について情報提供者の承諾を得た後、順次【事例】として公開し、まずはブログ読者との情報共有をはかります。【投稿】の最低条件は、事実(当事者から見たもので構いません)に基づいていることで、古いもの(10‐20年前)でも全く構いません。所属組織名、被害者・加害者名等はとりあえず匿名でも結構です。とにかくこんな酷いことが起こり、怒っています・告発します・是非聞いて下さい、というものでも可です。
2)地域的に報道・発表された事例
あなたの居住、または働く地域での地方新聞、コミュニティ媒体等で報道された、またはそれら媒体に発表されたアカデミックハラスメント事例の情報、処分記録などをお寄せ下さい。然るべき手続き(個人情報保護、著作権等の観点で必要)などを経て、本ブログでそれらの情報を全国に発信します。
また、2018年9月より、ハラスメント相談をメールで受け付けることにしました。周囲で似たような問題を抱えている同級生、同僚、友人、知人などがおられましたら、是非本ブログもご紹介下さい。
協力会員・賛助会員になって下さい
あなたの関連する組織、或いは地方のアカデミックハラスメント関連情報を定期的に収集・投稿して頂ける本情報資料室の協力会員になって下さい。
われわれは各個別ハラスメント事例の継続的追求をぜひやりたいと思っていますので、そのようなご協力を頂けると大変助かります。加害者が一番望んでいるのは、世間が忘れることで継続的な追求と情報発信(どのような結論・処分が出てその後その組織はどう変わったのか?等)はハラスメント体質を隠したい、または体質改善をサボタージュしている組織が一番嫌がることです。
また、本情報資料室の目的や活動にご賛同いただける方には是非賛助会員になって頂きたいと思っています。ご寄付〔会費〕は管理者がハラスメント情報提供者などと面談するための旅費・会議費や事務経費(主にブログ開設維持費)に使う予定です。郵便振替口座は以下になります。どうぞ宜しくお願いします。
口座記号番号 00900-4-277126 口座名称 アカデミックハラスメント情報資料室
アカデミックハラスメント情報資料室について
- 現状
現在のところ、上記の目的をもつ任意団体としてスタートし、なるべく早期にNPO法人への改組をめざしています。ちなみに、わたしたちはこの団体の活動準備をほぼ1年前から始めました。この間、グローバルな#Metoo movementやごく最近の某省庁官僚等によるセクハラ騒動を受けたいわゆる「世論のうねり」はわたしたちの予想を超えたスピードで広がりを見せようとしています。その中でわたしたちは、ハラスメントをしつこく問題視し、加害者を特定して責任を取らせるとともに、その組織的改善をめざす地道な活動をこれから進めていきたいと考えています。
- 情報資料室管理者の自己紹介
管理者A:これまで、民間の研究機関と2つの大学で教育と研究に従事。現役大学教員。その間、数々のパワーハラスメント・セクシャルハラスメントを直接的・間接的に経験してきたが、その場のみの不十分な対応に留まり、被害者の救済や加害者の告発をきちんと行えて来ていない。その深刻な反省を踏まえ、今回このブログを立ち上げアカデミック関連組織内での学生や若手職員のおかれた現状の迅速な改善・打破をめざしたいと思っている。
管理者B:これまで、民間の2つの研究機関と2つの大学で教育・研究に従事。現役大学教員。教員によるアカデミックハラスメントに次々に遭遇し、被害者を救済すべく内部委員会に訴えたり、外部評価委員会に訴えたりしてきた。ところが教授会そのものに自浄能力が欠如しているため問題はまったく解決されなかった。この反省に基づいて、被害者救済のために全力を尽くしたいと思っている。
管理者C:大学でカウンセラーとして相談業務に従事。ハラスメント相談を担当して10数年間、被害者の話を聞き対応してきた。現在はフリー。被害者サポートとハラスメント防止のためにできることをしたい。
この度、新しい女性管理Cさんに加わって頂くことができました。上記にそのプロフィールを紹介します。経験豊富なメンバーの加入によりこのブログがより幅広い問題に対応できるよう努力したいと思っています。なお、引き続き、本情報資料室・ブログを手伝って頂ける(女性)管理者を求めています。われわれの想いにご賛同頂ける方は是非積極的にご応募下さい。